お台場アクアシティの一角"MUSEUM & MUSEUM"――ココはCAPTAIN SANTAのブランドミュージアム。ちょっとしたモール風……フラットに言やぁ横丁?(って"フラット"ってナニ?)風になっていて、目抜き通り"OCEAN GLOBE ST."の突き当たりにあるのがこのロングボードカフェ。WEBで調べたところ、同名の店が業平(東武/京成/都営/東京メトロ押上駅)にあり、写真から判断するにどう見ても両者は同一の店である。業平は骨の髄までハワイアンテイストらしいが、お台場は西海岸をイメージ。店名のすぐ下に書かれたサブタイトルは"CALIFORNIA DRIVE IN"――カリフォルニアの青い空&目映い太陽の下、海岸沿いにオープンカー飛ばして、ちょっとのどが渇いたから、よ〜く冷えたバドで一杯……ってソレはアカンやろ。ただ内装など基本的な造りはどちらも同じようなので、流れる曲次第ではどっちがハワイでどっちがカリフォルニアだかよく分らないと思う。どちらが先でどちらが後に出来たのかもよく判らない(多分、業平が先と推測される)。また業平がお台場と同じ会社の経営であるということも、どこかにはっきり書かれていることではなく飽くまで参照した個人サイトが載せていた非公式な情報であるに過ぎない――と、何かと謎の多い店ではある。なおCAPTAIN SANTAの生みの親であるジョイマークデザイン社は本社江東区亀戸。キャラクターのイメージに反し、チャッキチャキの江戸っ子。
"今週のオススメ"ということでアメリカンチーズバーガー\650のドリンクセット\800を。上から説明すると、まずバンズの上にピクルスが串刺しに刺さっている。これは初パターン。甘〜いピクルス。次、バンズ――表面パリッと身はふんわり柔らか(どこぞの店の宣伝文句にあったっけ)で私のストライクゾーンど真ん中。「ビーフパティとの相性だけを考えたボントンキムラヤ特製のオリジナル……」と説明書きにあるのだけれど、またこの"ボントンキムラヤ特製"が何のコトだか、さっぱり分らない。
中身は……まずチーズ、次にパティ――みじん切り玉ネギ入り。扁平なパティ――というよりハンバーグに近いか。その下にトマト――このトマトが実に甘い。良いトマト使ってるのか、何かとの相性でそう感じるのか、とにかくこのバーガー全体から受ける印象は"甘い"(=私ノ好ミ)。さらにトマトの下にレタス……なのだが、顔を近付けるとほんのりヨモギのような香りが漂う。ご覧の通り色も普通のレタスよりずいぶん青々としている――調べたところグリーンリーフ(フリルレタス)かプリーツレタスのどちらかのようだ。ちなみにレタスはキク科(←薀蓄)。締めは再びバンズ。内側に粒マスタード&マヨネーズが塗られている(上下とも)。ケチャップとマスタードは無し。お好みで使って……という感じでパックが付いてくる。ところがコレがケチャップ&マスタードの助けを借りずとも十分いいお味なのだ。後半やや単調に感じられたので、ココぞとばかりハインツのケチャップをかけてみるが、やっぱりかけない方が美味しかったりする。で、こんなナイスなバーガーがCAPTAIN SANTAオリジナルの包み紙に包(くる)まって出て来るワケだからして、まぁファンはたまらんでしょうな!付け合せはポテトチップス。元気なダンスナンバーが賑やかに響く広い店内で、カリフォルニア……と言うか、あちらのTVドラマにいかにも出てきそうな"溜まり場"な雰囲気に浸りつつ。なお根本的に"業平=ハワイアン"なので、アボカドバーガー\660もメニューに載っている。なにぶんKが"アレ"だったので、大きな期待を胸にぜひチャレンジしてみたい。
日本橋人形町――この一帯は古い。老舗洋食屋に純喫茶。扇子屋に履物屋。狭い路地裏に二階の物干し台……下町風情漂う界隈である。そんな古い街並みに突如現われる真っ赤に輝くハンバーガーショップ。一体なぜココに?日中だって人通りのそうあるところではない。その立地はきわめて不自然に思えるのだが……
遠巻きに様子を窺うだけのつもりで前を通ってみたのだが、ところが開け放たれた店の入口からなんと!パテをこねるペタペタいう音が聞こえてくるではないか!!これで完璧に吸い込まれた。マジで手でこねてる〜!!(ま、それが本来なんですけど)。
お客ゼロ(それも入った理由のひとつ。但しその後ぱらぱらと増える)、中は見てのとおり赤い壁に映画のポスター。信号機にナンバープレート。おもいっきりアメリカン……だけどどこか品がある。壁の赤は目にも鮮やかだが、しかし落ち着きと貴賓を湛えた高貴な赤。映画のポスター……をよくよく見ると『レインマン』に『俺たちは天使じゃない』『ブルースブラザース』『BEAVIS AND BUTT-HEAD』そしてケネディ兄弟……そう!悉く兄弟に関係したものばかり(……とは何度か通ううち気付いたこと)。店名が如く、ココは兄弟で営むお店なのだ(……とは言いつつ、何度通っても誰と誰が兄弟なのか未だに……)。
チーズバーガー\1,000。付け合わせにフレンチフライ、オニオンリング、ピクルス(正直最近これら付け合わせというモノが不要に思えてならない)。さぁ出て来たのはイラストどおりの背の高〜いバーガー。イイネー!まさに絵になるバーガーだ。撮影ゴコロに火が点く。てっぺんツヤッツヤのバンズ!いやーこんなバンズは初めてかも。表面パリッパリ。イイネー!!カウンターの上に架かる黒板の図説によると"THE Bun(crown)(heel)"と。
バンズの下にはとろけるチェダーチー。上からBBQソースが絡む。その下に荒く挽いた粒胡椒のたっぷり振りかかったパティが肉肉しい匂いを放っている。カリカリによく焼けたバンズの白ゴマとのコンビネーションが絶妙!オニオンはミジン切り。厚切りトマト、そしてこの不作の折に('04年当時)ボリュームたっぷりのレタス。さらに下にマヨ。実にジューシーなバーガー。肉汁溢れるパティ、みずみずしい野菜、そしてパリッと締まりのあるバンズ――三拍子バランスよく揃っていて実に食べやすい。ガツガツと口に運ぶ。スルスルと喉を通る。BBQソースを軸に実に解り易く・入り易い味と圧倒的ボリューム!パワー!幸福感!食べると脳と体にエナジー漲るバーガー。これぞバーガー冥利、これぞ食べ甲斐のあるバーガーと言おう。最後のひとくち、チーズのマイルドな余韻が後引いたなぁー。
食べだした頃からBGMがスティーヴィー・ワンダーのベスト(CD)に変わる。「心の愛」「Isn't She Lovely」「迷信」「悪夢」と続いて、我が心のヴォルテージは否が上にも高まってゆく。気付けばえらいノリノリで食べていた。……そうそう、紙ナプキンのスタンドにモス/フレッシュネス式の"包み紙"(=バーガーパック)が差してあり、コレに入れて食べろと言われる。バーガーメニュー35種類!壮観!
さてその後何度も足を運んだが、↑前述の心配などウソのように店は常にたくさんの客で賑わっている。平日ランチタイムには、確実に千円を超えるお昼ごはんを求め、近隣のオフィスワーカー達がコノ赤いバーガーショップ目指し集まって来る。夜も付近の居酒屋/ダイニングバーがガラガラな中、独りココだけ福が来ているようだ。ある日コノ店で夕食を済ませて水天宮前の駅に向かう途中、通りがかったモスバーガーにはそれこそ一人しか人影が見えなかった。BROZERS'とは歩いて5分と離れていない。みんな味を覚えている。みんな味に吸い寄せられる――そんな磁力を持った店。
ところでマスターはオーストラリアはシドニー近郊、アーチーズなる町のハンバーガー屋さんで働いていたんだそうで。そのアーチーズは今や無く(確かチャイニーズか何かに変わったと言ってたか)、その味を北半球で受け継いだのがこのBROZERS'!2000年オープン。
→ # ベストバーガーショップ'06
【二ッ目!】BROZERS' [人形町] のベーコンチーズバーガー
# 135 BIG SMILE [取手]
# 172 LAYER'S [名古屋]
所在地: | 東京都中央区日本橋人形町2-28-5 月村マンション1階 | |
東京メトロ日比谷線・都営浅草線 人形町駅歩7分 地図 | ||
TEL: | 03-3639-5201 | |
オープン: | 2000年7月3日 | |
* 営業時間 * | ||
平日: | 11:00〜22:00(21:30LO) | |
日・祝日: | 11:00〜17:00(16:30LO) | |
定休日: | 月曜日(但し祝日の場合、翌日休) |
JR有楽町駅京橋口を国際フォーラムの側に出て真横、まさにガード下。変則的かつ非高度活用的なガード下の空間をそれなりに利用したこのお店……そうか!ペーパームーンって広尾にあるシフォンケーキで有名な老舗カフェか!――が、こんなバッチイところに支店を出してる。なので立地から想像される期待度に比して、得られる質はエラク高い。なんとなく店構えが出来合いのコギレイさではなく感じられたので、前から気になっていた。そしてハンバーガーが置いてあると知り、ますます入ってみたくなったのだが、なんとなくヒゲのマスターが怖くて、撮影なんか出来なさそうだな……とためらってた――そんな店。店の最奥の穴蔵のような席を占める。
ハンバーガー\525。まずは見てのとおり、バンズの直径と中身のパティやトマトの直径が合っておらず、やや不安定に思える。バンズは温かくない(がそれ自身悪いことではない)。今まで登場した中なら……ウルフギャングパックみたいなクリームパン系。いやバターロールと言うが適当かな。表面がかなり突っ張った感じで、これがまた最後まで口に残る。ここまでくると突っ張り過ぎ。裏側に薄味のマヨ。分厚〜いトマト、こいつがまたよく冷えてる!もしこれが調理上の過失や手抜きでないのだとしたら、こいつは新食感だ!こんな言葉が頭に浮かんだ……アイスバーガー。居酒屋に冷しトマトというメニューがあるくらいなので、トマトを冷すという行為もひとつの調理法と見なすことが出来るかも知れない。よく冷えたトマトと熱〜いパティとのコンビネーションなんてどうだろう?オニオンは大きめにみじん切り。コロっとしたパティ。大きいレタス。そしてパティには真っ赤なケチャップ。パティの肉は気持〜ち粗いものの(とは言え世の平均硬度は余裕でクリアしている)、大きく刻まれたオニオンと相性が良く、なかなか良い味を出す。ただこれで525円というのはちょとね……。カフェオレのLとで924円也。もちろんそのカフェオレも美味しかったのだけれど。
え〜と、あと報告すべきは……BGM?季節柄、当然のようにクリスマスソングでした、ハイ。でもこの立地・この雰囲気、案外気に入ったかも。
2004.12.25 Y.M 神田三崎町。水道橋の駅からすぐ。この辺りは日大・東洋高校・大原簿記学校など学校・専門学校が集中する一帯で、普段なかなか落ち着いて街歩きしてみようという気になれないところなのだが、そんな場所にだってあるのサ――バーガーショップ。
店内はいわゆるアーリーアメリカン調……なのだが、アンミラやウェンディーズのようなゴッチャリ埃っぽいところがなくて、広い窓から採り込まれる外光に包まれた明るい店内は、スッキリ整然と清潔感漂うゆったりした空間になっている。神保町に連なる場所柄か、壁に無数のLIFEのバックナンバーが架かっている。I-kousya(あいこうしゃ)という店名も同じく場所柄、古書店か小出版社の名跡でもそのまま継いだのか……と勝手な推理をしていたら何のことはない、愛光舎とはココのビルの名前だった。ちなみに地下には元巨人軍のショート・岡崎郁選手がオーナーの焼肉屋、その名も香おるが入っているとのこと――注:先日ビルの前を通ったら「スポーツ炭火焼肉ドーム」と名を変えていた。もちろんオレンジ色の看板で……(2005.1.24)
さらに注:「スポーツ炭火焼肉ドーム」は、既に数年前に無くなってしまったとのこと。今では「天狗」が入っている(2008.1.6)
チーズバーガー\997――これはレギュラーサイズ・パティ150gの値段。110gのスモールは\787。この店もオープンフェイススタイル。なおかつ包み紙は別に手渡される……まず最初に見た目をばっちりアピールしておいて、いざ食べるときには紙で包んで――コレ、いまや主流なのかも知れない。そういうスタイルを採っていた店はこれまでブラザーズ、ウルフギャングパック、ベーカーバウンスもそうだったかな?
バンズはフッカフカ。バンズ自体、特別甘い味を持っているワケでもないのだが、パティとの組み合わせにおいて独特のマイルドな余韻を醸す。表面をギザギザにカットしたピクルス×2。水分をたっぷり含んでいて美味しい。ただし切り方が厚いので、コイツはバンズに挟むべきか、付け合わせとして食べるべきか、一瞬迷う。トマトの下に細くスライスしたオニオン、そしてレタス。レタスの中にはあっさり目のマヨネーズ。さらにとろけ方のいかにも美味しそうなチーズ。パティは胡椒が振りかかっているにも関わらず、これまたなんとも柔らか〜い味。内側に赤い部分を残す絶妙な焼き加減で、柔らかい中にも肉の持つ繊維の噛み応えを存分に味うことができる。全体としてはカドのない、丸くて流線形なモノを口にしている感じで、ツルっと入ってゆく。最後までパティの味に飽きが来ない。後味も至極さっぱり。
BGMは有線なんだが、外の寒空に負けじとばかり、爽やかなAORナンバーなどかかっていた。私の大々々好きな曲も何曲となく流れたのだけれど、しかしアレね、似た曲調の曲ばかり続けることほどセンスのない選曲はないね。サイテー。まあ店の責任ではないのだけれど。バーガーメニューと並列にサンドイッチも豊富に取り揃えている。
→ 【二ッ目!】I-Kousya [水道橋] のG.M.マッシュルームバーガー
# アボカドバーガー ◆ I-Kousya [水道橋] のアボカドバーガー
所在地: | 東京都千代田区三崎町1-4-8 | |
R水道橋駅歩5分 地図 | ||
TEL: | 03-3291-4102 | |
オープン: | 2003年4月22日 | |
* 営業時間 * | ||
月〜金: | 11:30〜15:00, 17:00〜21:30 | |
土曜日: | 11:30〜18:00 | |
定休日: | 日曜・祝日(※要確認) |
都営三田線、ちょっとさみしい白山駅から、もっとさみしい夜の白山通りをちょっと歩けば、商店街からちょっと離れたところに(←もはや鉄則)……あった!これまでアメリカンな店は数見てきたが、ココの店はちょっとカッコイイ。アチラのTVドラマのセットをそっくりそのまま持ってきたのでは……というぐらいの筋金入ったカッコ良さがある。落ち着いた色合いのレンガ壁をバックに、ココからこのまま音楽番組が放送できそうだ。全面ガラスの店正面、入るとすぐ左右にテラス席。そこから短い階段を下って一段低くメインフロアがある辺り、実に計算されている。カウンター席から外を見上げるその構図もむろん計算ずくだろう。
カウンターに座る。正直言うと、バーガー食べてはこのような報告を上げている以上、ある種の疚(やま)しさと言うか、そこまででないにせよ、なるべく目立たぬ客で居ようとか、お店の人の視界に入らぬ場所に位置取りしようとか、そういうことは常に思うことなのである――この頃は。それが今回よりによってカウンター=お店の人の目の前を選んだのは……照明が明るかったから。このライティングならイイ画が撮れる。カウンターには見てのとおり無数の酒瓶、グラス――そう、ココはれっきとしたバーである。カウンターに座った運命で、マスターの奥さんと自然に会話が始まり、最終的には居合わせた常連客も交えて談笑していた。家族的な気軽さに満ちている。
マスターがハンバーガーの話を始めた……自分はバーガーの値段は500円が限界だと思っている――。だからその上限ギリギリまでクオリティを高めたバーガーを作る――。去年は凶作でレタスはじめ野菜の値段が高騰したため、儲けがほとんど出なくて泣きたくなった――そんな立ち入った話まで聞かせていただいた。ハンバーガーショップを構えて十余年のマスターの言葉である。言葉の重みが違う。もっともっと聞いてみたくなった。
さて――ワンズバーガー\500。白いバンズは甘くて、裏側がカリカリによく焼けている。パリッとしたレタスとトマトの間にピリッと辛いワンズソース――コレは単なるサルサソースでなくミートソースでもなく、オリジナル。ポイントはピーマン。サルサには欠かせない材料だが、本家以上にビターな風味を呼び、離陸したら飛びっぱなしの辛さとは違う、しっかりと地に足の着いた収まりよい辛さを生み出している。ソースの下にはきれいに刻まれたオニオン。このオニオンとソースの組み合わせが抜群だ。
そして主役=パティ。100g、直径小さ目で代わりに高さが半端でない。これだけ分厚いものに火を通そうとすると、表面が焦げるばかりで内部までなかなか火が通らない。そこでマスターはパティ焼き用のフタを自作した。旨味の際立つ、食べやすくてイイ味。ソースのピリ辛がリードする中、オニオンとレタスのシャクッとした食感、バンズの甘さ、そしてパティの旨味が巧く混ざり合った逸品。
チーズバーガー、こちらも\500。バーガーメニューはオール500円。こちらはバンズの下にまずケチャップがバーンと幅を利かす。オニオンとピクルスを程好くブレンドしたみじん切り。そして問題のチーズ――ホワイトチェダーとレッドチェダーを2枚重ねて使っている。
確かにチーズバーガーにおけるチーズの存在感というのは意外と希薄で、はっきりとチーズの味がするバーガーにお目にかかれるのはごく稀。大概が全体の味を多少マイルドにするとか、そうした役割のひとつに甘んじるものばかりだ。そんな物足りなさを解決すべく、マスターは2枚重ねにすることを考えた。最初ホワイトチェダー2枚でやってみたが、まだ足りない。そこで2枚目をレッドにしてみたと――。この2枚重ねは目玉焼きのようである。パティを覆うように薄く伸びるホワイトチェダー、その中心に位置するレッドチェダーはまるで真っ赤な黄身のよう。
このチーズのダブルパンチは正直私の口にはやや塩辛いのだが、実に実に濃密で「食べたー!」感全開だ。濃い味のケチャップと濃厚なチーズとの絡み――コレは日ごろこよなくマックを愛する向きにこそむしろオススメしたい。いや決して悪い意味ではない。マックが126円でテキトーやってることを、その4倍の予算をかけて、心を込めて一生懸命作ればきっとこうなる筈――というバーガーだと思う。余計なものがない、冗長でない、無駄がない、スマートな、マスターが唱える500円上限説をそのままに実行した、技術と思考と経験の結晶。
BGM――100インチプロジェクターでやっていた『ポリスアカデミー』の音声。HP必見!!
→ 【最新情報】 新丸ビルにOne's Drive [白山] の2号店がオープンしました
2005.1.24 Y.M戦後GHQに接収された日比谷・三信ビルに1948年創業。"NEW","WORLD","SERVICE"...一般名詞を3つ連ねた"非固有名詞的"な店名は、まるで星新一=真鍋博コンビの描く近未来SFのような響きがして、たまらなく良いセンスである。古いのに古くない――進駐軍の将校たちが受けたであろうNEW WORLDのもてなしを、今も変わらず味わうことが出来る……そうした意味では、ひょっとするとコノ店は57年前に通ずるワープゾーンになっているかも知れない。茶色いタイル柄の床。茶色いビニール皮の椅子。お洒落なパターンが印象的な薄ベージュ色の壁。燭台を模した電灯が放つ茶色い光。ピアノ曲がほろほろと流れる、深く、落ち着き澄ました茶色い空間……まるで巨大な琥珀のカプセルの中に閉じ籠もってでもいるかのような、そんな錯覚を覚える。
実はココもハンバーガー発祥の店と言われる店のひとつ――。チーズバーガー\850、コーヒー付。頼むとほどなく厨房からペタペタいう音が聞こえてくる。ペタペタの後はジュー……。耳そばだてて待つうちに、まずコーヒーが運ばれる。締まった酸味のよく効いた、キリッと美味しいコーヒーだ。そしてチーズバーガー。白いオニオンだけが外にいて、こいつをトマトの上に乗せてバンズでフタをする。このオニオンがまるで計算したかのような絶妙な厚み。まず厨房で丸いオニオンをヨコに輪切りにし、次に客がソレをタテに噛み砕くと、タテヨコの比がぴったり理想的なサイの目が出来上がる。このサイの目の食感が気持ちよく、丁寧に焼かれた白いバンズと、ときに絶妙なシンクロを果たすのである。バンズは裏側にバター。オニオンの下にトマト、その下に青々としたレタス。レタスにはマヨネーズドレッシング。そしてパティ。このパティは"ハンバーグ"としてメニューに出ているソレそのままではないだろうか。中心がいちばん高く盛り上がっていてコロンとしている。ふわふわと柔らかい。"ぷりっとした"という形容が合うか。程好い塩味が肉の旨味を引き立てている。もっとオールドタイミーな(そんな英語ホントにあるのだろうか?)昔懐かしいモノが出て来ることを想像していただけに、コレは実に意外である。この柔らかさはMやFなどを中心にむしろイマ好まれているものと変わりがない。チーズがよく伸びる。伸びるチーズというのは今までなかった。ピザと同じモッツァレラ辺りだろうか。そんなことも含め、このバーガーにはまったく古臭さがない。柔らかいパティ、美味しいコーヒー、そしてなによりこの店の空気――850円はお値打ち。
付け合せにフレンチフライ。昼は11時15分を回らないとバーガー(およびランチメニュー)にありつけない。いつ行っても家族的な温かいサービスで迎えてくれる。昭和の歴史的建築・三信ビルの見事な1階・吹抜のアーケードとともに、ぜひとも一度は訪ねたい前時代への時の隧道。
※こちらもついに2007年の2月末か3月末に閉店。「もう戦後ではない」のでしょうか。レジームだかエレジーだか……
2005.2.6 Y.M1,000円を軽く超えるバブリーなバーガーが続いたので、ココはひとつあるべき姿に帰ってラブリーな低価格バーガーをご紹介――
その店の情報は去年7月、実は佐世保バーガーと同時期に入手していた。そして半年後の昨日、念願かなってついに……!って佐世保より遠かったか、立石バーガー……
てっきり立石にあんのかと思ってたら堀切菖蒲園だった。が、私は上野以東の地理はカラキシなので、どのみち同じことである。とにかく怪しい店との触れ込みで、どちらか言うと怖いもの見たさ……的紹介記事が多数。ご近所在住のC嬢も巻き込んで、いざ探し当ててみたその店は……↑噂以上!看板には「完全栄養食」「好評発売中!」「100円」……ジュウニブンに怪しい!!ま、普通入んないやネ……。まさに突撃取材である(哀れC嬢……)。
「焼きたて」と貼られた(ウソつけ!)購買風ショーケースに並ぶハンバーガー、サンドの数々……思っていたよりバリエーション豊富。バーガー5種類……立石バーガー、トマト立石バーガー、オニオン立石バーガー、以上オール百円。チキンカツバーガー、エビクリームバーガーは\150。他にあんぱん・クリームパン\80、コロケパン\130(←脱字ぢゃないヨ)、サンドイッチ各種\150、札しかなかったけど食パン1斤\150――どれもラップに包まれており、パン屋の惣菜パンを連想させる。
中に入ると奥から人の良さそうなご主人。イートインスペース机と椅子はあるのだが、食事できるのは定食モノのみと……止むなし。その代わり作り立てをいただくことに。頼むとジュージュー音がし始めて、ほどなく出来上がり。出来立てもラップするのか……と思いつつ店を後にし、寒空の下食べる場探して右往左往。冷め切らぬウチに何とか区民センターのベンチを確保。
さて立石バーガー、画像では(張り切リ過ぎて)大きく写っているが、実際は片手でスッポリ掴めるくらいの大きさ。ハッキリ言って見た目は……。バンズの裏にガーリックバター(推定)、それはそれは薄〜い円形のパティに、その下はレタス……でなく千切りキャベツ。マヨネーズがかかり、あとはケチャップ。
バンズはフランスパン系あるいはドトールで出て来るサンドのような表面のザラザラした硬さ。適度な弾力があり、しっかりした噛み応えで……オーッ美味!マヨとケチャはキャベツと相性よく、しかも"1+1"の単純なベターっとした味ではなくて、意外や微妙な味の融合を遂げており、コレにチーズを加えたら合うだろうなぁと思わせるマイルドな味わい。パティは少量ながらガーリック味と相俟って、主役たる存在感は十分示している。
コレ……百円で相当美味しいヨ。部活帰りに百円玉一枚でこんなバーガー頬張れる葛飾区の中学生は幸せだなぁと、ちょっぴりノスタルジックな空気をも醸すバーガー。
完全栄養食――うん、最近つくづく思うのだが、マックのバーガーを念頭に考えるから「ハンバーガー=不健康」という公式が成り立つのであって、野菜と肉がバランスよく挟まれたハンバーガーなら栄養価も高く、決してジャンクな食事とは言い切れないと思うのだけれど……。
『ぶらり途中下車の旅』情報によれば「御主人はかつてはロサンゼルスで1年半位、修業も兼ねてバーガーショップで働いていた」「御主人1人ですべてこなしている為、1日30〜40個の限定」「仕込みは朝6時から始める」……。怪しさの陰に誠アリ。話題性十分!菖蒲園に行くときは立石バーガー持参で。
最寄駅……ビミョーに乃木坂か。でも乃木坂に用のある人などまずいないから(失礼!)六本木かなぁ……というワケで鉄則にならい、やはりココペーズマジックもちょっと離れた立地。お店の地図がわかりやすい――外苑東通りを"もと防衛庁"の辺りで"もと東大生産技術研究所"の方に曲がる。ビルの1Fなのだが、スゴイのは店の前が立体駐車場のターンテーブルになってて、その奥にあること。立駐の入口を抜けて店の入口に達する感じ。きっとその分いくらか賃料が安いのだろう、入ってみると横に広い。うなぎの寝床とはよく言うが、差し詰めカニの寝床?センターにどーんと横長なオープンキッチンがあり、その手前は円卓の間。さらに外から見えない位置に両翼があって、右が照明抑えたダイニング、左がカウンターバー式になっている。BGMは80'sヒット。ダイナーのムードに全く合っていない。冷静に見渡すと、柱や窓の位置からみてココ、1F駐車スペースの一部を利用して作った店舗のよう……よくぞここまでの内装をほどこしたものと感心させられる。さすが六本木!
チーズバーガーレギュラー\1,050。オープンフェイス。しまったのは重ねる順番を間違えたこと。バン(crown)→ピクルス→トマト→オニオン→レタス→チーズ→パティとゆくのが純正のところをバン(crown)→レタス→オニオン→トマト……と重ねてしまった。バンズは表面がフニャと柔らかく、クニャっとつぶれるタイプ。上に白ゴマ、裏に軽くバター。よく焼けてる。特に端っコのエッジのカリカリ感?コイツは必殺技ですな。すべての食材の間を掻い潜って、いつでもパリッとナイスな歯応えがまず口の中に飛び込んでくる。レタスと生オニオンのみずみずしいシャキシャキ感も非常に心地好い。レタスの端にちょっとだけタルタルソース。そしてクレソン――正直際立った味や香りはせぬものの、レタス同様歯応えが良い。チーズは黄色い半透明……なんだろう?パティはいかにも牛肉な感じ。胡椒で軽く味付け。ややゴツっと硬めで味は薄い。何と言うか余計な演技をしていない感じ?言い換えれば芸のないパティとも言えるのだが、つまりある意味このバーガーの主役はパティではないのだ。とは言え硬目路線の王道を行く、誠実で堅実な味の捨て難いパティ……なぁんて好きなこと言ってたらコレ「長崎の平戸牛を使った100%ビーフパティ」とのこと。最近ようやくこういう舶来系ゴツ目路線にも肯定的になってきたところなので、この和牛のアレンジの仕方にももちろん賛成である。レギュラーは1/4 POUND(112g)、やや小ぶり。結局何も加えずに平らげた。全体の印象としては甘い食後感、とってもナチュラルな後口。作為的な味付けが無く、わりとスルスルと入ってゆくタイプの食べやすいバーガー……なぁんて適当なこと書いてたら「自然な飼料で育った長崎の平戸牛、玉ねぎやトマト、コーヒーなどはオーガニック、パンは無添加……というこだわりを追求」「“作り手の顔の見える”素材でハンバーガーを提供致します」とのことで、ほぉ……あながち的外れでもないようだな>自分。
HPにある「アメリカのトップエリート達が最後の晩餐に選んだメニュー。それが、スローフードなハンバーガー」という文句も気になる。そうね……ちょっとハイクラスな米国人のお食事……ってイメージかな?テーマは「ハンバーガー=健康」という図式。バーガー12種類、サンドウィッチ18種類!付け合わせナシ。ランチなら諸々付いてお得な模様。
2005.2.16 Y.Mハンバーガーと言えば……アメリカ?アメリカと言えば……アメフト?バスケ??……てなワケで春4月、日本のプロ野球もいよいよ開幕!(あんまり興味ないけど)の候を見計らい、いざ東京ドームへ。折しも皐月賞開催のこの日、ドームではパリーグ公式戦北海道日本ハムファイターズvs.東北楽天ゴールデンイーグルス(両チーム!名前長いゾ!!)のデーゲームがあり、なにやらコスプレフェスタなる集会があり、某通販大手の催事もありで、ドーム周辺は家族連れやら彼氏連れやら彼女連れやら人生"馬と道連れ"やら、老若男女・有象無象が玉石混交、相乱れ……ている割りには、休日の昼下がりを思い思いにのんびり過ごす光景が其処彼処に見られる、何とも平和な日曜日であった。
東京ドームシティには確認できただけで3店――と東京ドームホテルに入ってるシズラー――メニューにハンバーガーを載せているお店がある……のだけれど、どこも何となくどんなバーガーか読めてしまう感じなので、まぁいずれ機会があれば食べるでしょ……くらいのコトにしておいて「スタジアム」「スポーツ観戦」そして「野球」に最も近く寄り添ったコノ店を選んでみた。このバーガー"隧"道、何も1個2,000円もする破格バーガーばかり紹介しては悦に入っている、そんな企画ではない。ハンバーガーのある処・ふさわしいシチュエーションを求めては、その在り様をレポートする――それこそが"本懐"。でハンプティーズガーデン――無論、店名は東京ドームの愛称ビッグエッグから。ドームの外、21番ゲート横、ドームの側面に沿ったヨコに広い店構え。一般的ファーストフード店形態。客席もあるが居心地良くは見えない。白と黒の床タイルはロッテリア調。コノ店のスゴイのはバーガー4種すべて\360均一であること。プレーヤーズセット(ポテトS+ソフトドリンクM)も均一\650。料金体系としてはすばらしくわかりやすい。で、4種のバーガーの基本となるのがプレミアムバーガー……おいおい、プレミアムからスタートかよ。普通一番良いのがプレミアムでは?だのに包みのシールには「レギュラー」と……ゆーワケでメニューは至極わかりにくい。トマト入りがプレミアムでチーズ入りはチーズ。ところがこの輪切りトマト、断面斜めに切れてる――つまり、ある方向から見るとトマトが挟んであるように見えるんだけど、真反対からはトマトは見えないのだ。おいおいっ!!
チーズバーガー\360。バンズは上から見るとグローブの形をしてる。押された焼印(風)「24」はもちろん高橋由伸選手の背番号。番号は他にいくつもあって「さぁ〜何番かなぁ?」というお楽しみになっている模様。バンズ裏はマック同様焼き跡しっかり付いてるも、焼き込んだ形跡ナシ。チーズがきて、刻んだオニオンとケチャとマスタードがきて、パティ、ふたたびバンズ。基本的にはマックのバーガーと変わりない――が、マックよりさらにひと回り小ぶりかな?そう思うとコイツの360円はボッタクリと思われて仕方ない値段だ。ただパティだけはそれなりに噛み応えのある粗い肉感で、思いのほかよい。よろしくないのは、まったく混んでいないこの日・この時間帯、「イベント開始に駆け込みセーフ。そんな時にはこのお店。おいしいハンバーガーやホットドッグがすぐに出てきます」と謳っておきながら、チーズバーガー1個つくるのにそうさね〜10分はかかったこと。そして頼んでないのに袋の中にポテトが入っていたこと。ということはきっと他の客の袋の中には入っていなかったであろうこと。さらにはそのポテトが油がジットリ滲み込んで、とても食べられたもんじゃなかったこと。そして何よりこのハンバーガーに「ドーム」「プロ野球」「スター選手」といった「夢」を感じることができないこと――そうした意味では私は、日ごろはるかに夢のあるバーガーを口することができているので誠に幸いである。一度入ったら再入場できない閉鎖空間を支配する娯楽施設の強味か、とにかく売り手側が一方的に強過ぎる。僅かの努力でいくらでも安くも美味しくもなろうに……ねぇ〜?
2005.4.22 Y.Mやっと登場!ココも"マストバーガー"。泉麻人氏のコラムにもあるが、日本のハンバーガー発祥を称する店のひとつ。創業1950年――佐世保バーガーの発祥よりも確かに1年早いが、仙台のほそやと同年である。50th Anniversary T-Shirts販売中。
三丁目の角地に店を構えるホントに三角形のバーガーショップ。泉氏表現するところのカフェバー調の店内は、多年にわたりコノ六本木の街の空気を吸い続けてきた証か、ビミョーに汚れ・黄ばみ・くたびれている。コラム中の女性店主が登場すると、2台あるテレビモニターは夕方のニュースから巨人×中日戦に変わった。7時からはサッカーを見るつもりらしい。
チーズバーガー\450。バンズの下はチーズ、パティ、レタス。泉氏が食べた東京一番ハンバーガー\370はバンズの間はパティのみ――もうココまでくると素材の旨さ一本、直球勝負!!と言う他、言い様が無い。素材が旨いか不味いか。「そのままではアツくて持てないハンバーグを、食べやすいようにパンにはさんで売り出した」――というバーガーのルーツと言うか動機に忠実なバーガー。半ツヤ消しくらいのバンズは、持つとモォ〜ふわっふわ!まるで皮のコートにでも触れているかのような驚嘆モノのやわらかさ!口を寄せるとくちびるをふわ〜っとやさしく包み込むような触感。肉厚のパティは噛むとピリーッと強い挽き肉の味覚。時間をかけてゆっくり火を通した故だろう、やがて何処からともなく脂がジワーッと滲み出してくる――おそろしく地味ぃ〜に美味しい。慣例に倣いケチャップ&マスタードなしで食べ、最後一口だけケチャップつけてみたら、それはそれで美味しかった――イヤ、ソレって実は珍しいことなのヨ。チーズは普通のスライスチーズ。付け合せはポテトチップス。
ギラつく外の光景と比べればまったく派手さのない、地味な、ジミィ〜なオールドファッション・バーガー。例えるならソレは2番ショート。もしコノ店のバーガーが日本伝来・発祥当時の原形を今なお留めているのだとすれば……私にとっては決して居心地の良い街&店ではないのだけれど、その難を退けてでも立ち戻りたい原点かな――行き過ぎたバーガーネジを巻き戻すために。
※'05年10月25日、1950年から実に55年におよぶその輝かしい歴史に、幕を下ろされました。本当に残念……(2005.11.29)
2005.4.29 Y.M ココもマスト。何処ゾで語った、TBS『Saturday Night Chubaw!』のハンバーガーの回に街の巨匠の一人として登場した店。春日通り、本郷四丁目交差点に面す。ファイヤーハウスという店名と黒ベースのサイトの派手さから、トランザムとかサンダーバードとか、クルマとかバイクとかオートな雰囲気を勝手に想像していたが、いざ前に立ってみるとトタン屋根が張り出すカントリー調の店構えで、トンガったカラーは微塵もない。何処ゾの店と一緒で歩道より一段下がってフロアがあり、入口前のその一段低くなったスペースには待ち席が並べられている。多分コノ店で最も気持ち良い席はコノ待ち席だろう。
何処ゾの店と一緒でテナントビルの壁は赤レンガタイル。その冴えない外壁をコノ店は薄緑色の板塀で完璧にカムフラージュすることに成功している。薄黄色い電球で弱く照らした店内も壁の色は薄緑(多分)。そう広くないコンクリ床のホールにカントリー調アンティーク家具が、どちらか言えば収まり悪く並べられている。例の鉄則により人通りからはちょっと離れた立地の店なのだが、店の中も外もお客さんでいっぱい!場所柄若い客層で満席・行列・活況である。
チーズバーガー\1,050、気泡の大きいドーム型ふっかり系バンズは天然酵母。マヨ、チェダーチーズ、パティ、レリッシュとみじん切りオニオン、トマ、レタ、下のバンズ(heel)にはマスタード。粒々したミンチのパティには黒胡椒。全体に控え目な味の中、マヨネーズの味だけが独り強く立っている。付け合せはフレンチフライ、そしてミントティーのように刺激の鋭い辛口ピクルス。BGM――米系ロック・ポップスがやや小さ目に。
近くにデリバリー&テイクアウト専門のショップを持つ。ときにデリバリー用メニューの裏にLA系ハードロックグループ、FIREHOUSEのメンバー(voとgt)がコノ店へ寄せたコメント"BEST BURGERS IN THE WORLD!!"が載っていたが、てことはひょっとしてコノ店、オーナーがFIREHOUSEのファンである――なんて線も考えられますな。どうやって連れて来たんだろ。東京ドームで公演したなんて記録はないんだけど……。
→ 【二ッ目!】FIRE HOUSE [本郷三丁目] のベーコンチーズバーガー
# 165 FIREBURGER [茗荷谷]
# 128 UNCHAIN FARM [草加]
# 137 ARMS [代々木公園]
# 163 Authentic [赤坂]
# 168 Hi-5 BURGERS [つくば]
日本初を名乗る店のひとつ。ココの日本初は「最初のグルメハンバーガー&サンドウィッチレストラン」。グルメハンバーガー……当"隧"道では使わない言葉だが、つまりはファーストフードで食べられるおやつ的廉価バーガーに対する"高級バーガー"くらいな意味合いだろうか。ただ、日本初と謳うわりには創業何年……という記載がない。はて何年……
広尾商店街の突き当たり、祥雲院という寺の門前にある。因みにこの山門の奥がすぐ境内・本堂とばっかり思っていたところが左にあらず、門をくぐってもなお舗装された道路が続いていて、しかもすぐ二手に別れている。はてお寺は……まぁいいや。ココも店の正面全開にして、都内人気スポットにしてはまずまずのんびりした広尾商店街の空気をふんだんに取り込んでいる。入口すぐの特等席は外国人カップルが占め、フォークとナイフで器用にバーガーを食べていた。カウンターを勧められる。目の前に黙々と調理に励むスタッフ3名――イヤ〜緊張しますやん……!なので↑今回はやや恐縮気味の画像に……。てきぱきと手際良くバーガーを作る様子についつい見入ってしまう。広くない店内、キッチン周りは本当に無駄がなく、十二分に考えられた設計が施されているようだ。特に冷蔵ケースを戸棚式に宙に上げた工夫(キャビネット)は目からウロコモノ。ホールは白壁、ドーム型天井に床は木、小じんまりと温かみのある造り。
チーズバーガー、レギュラー130gで\1,100。付け合せナシ。中はピク、トマ、オニ、マヨ、レタ、ケチャ、チーズ、パティ。バンズはホワイト/グラハムから選択――ホワイトを。このバンズ、最初から上下に分かれてはいない……って調理上の話ネ。包丁で真ん中を二つに切ってから鉄板に乗せる。フカッとした食感でハンバーガー・インにも似た牛皮のように柔らかな手触りなのだけれど、噛むとカリカリッと言うよりシャリシャリッという感じのキメ細かな粉砕の仕方をする。少量乗ってる白ゴマの味が美味々々!分厚く真っ赤なトマト、そしてホントにキレイに折り畳まれたレタスは多過ぎず少な過ぎずの絶妙な水分量で心地好いったらありゃしない。もちろん主役はパティ――中はまだ赤々とした焼き加減。程好い粗さ、そして脂の乗りの良さ……コレは真剣に美味しい。この深み、マイルドでコクのある旨味……ただの脂ではない。肉よし野菜よし、そこに初めから振られたケチャップとマヨソースが美味しく絡んでくる――無添加・ナチュラル志向(特に健康食品系)は、ともすれば薄味ないしはほとんど味のしない妙な味付けに陥りがちだが、コノ店のバーガーは優れた素材をズラリ揃えながらも、バーガーらしいパンチの利いた味付けを忘れておらず、その辺りのバランス感覚こそ見事だと思った。見た目にはなんのことはない、中身もごくごく普通のバーガーなんだけど、この当たり前のようなバーガーにこそ本物を感じる。内容に一切無駄のない、「基本に忠実」という言葉こそ最もふさわしいバーガー。
BGM――ん?なんか流れてたなぁーという程度に多分有線洋楽ポップス。麻布十番・京橋に支店、六本木・丸の内にthe Pantry BY HOMEWORK'Sという別名の支店がある。
2005.5.1 Y.M有楽町マリオン真裏、飲食店の集まる界隈にて――。この飲食店街とマリオンを隔てる道路のことを有楽町中央通りと言うのね――ホントかね?ちょっと予定が狂ってしまい、どうしよう……とこの辺りをさ迷っているさ中、ふとコノ店のことを思い出し、入ってみたさ――所謂コーヒースタンド。「コーヒーと手作りハンバーガーの店」と大書してあるので以前よりマークしてはいたものの、何となく今まで入らなかったのは、そう……失礼ながらこの一帯にあまりキレイなイメージを持っていなかったから。オモテの写真でターゲットの存在をもう一度確かめ、ついに中に踏み入ったときにはまったくの無人だったので、「さすが都心、休日は空いてるなぁー」などと思っていたら、アレヨという間に壁に向いたカウンターのみ12席ほどの細長い店内は若い客層でいっぱいになった。女の子二人組もいる。キタナイ……という印象はないらしく。実際そういうコトで気になるほどのこともなく。店員は日本人男子と推定東南アジア系外国人女子の2人。イタリアンハンバーガー\320とブレンドコーヒー\200を頼むと、早速女性が調理に掛かった。
さてイタリアンハンバーガー、オモテの写真には「イタリアンバーガー」とあり、レジのメニューには↑と書いてあった……まぁイイヤ。バンズ、確か袋にリョーショクと書いてあったかなぁ〜……立派なバンズ。しかしモノの書によると「バンズというのはソレ単体で食べて美味しいモノであってはいけない――」とのことで、要はハンバーガーの味の決め手は飽くまで中身、間に挟むモノ次第――どんなに立派なバンズを使おうとも、やはり最後はソノ店の技量や工夫如何でその結果に大きな違いが出てくると――いうことらしい。裏には焦げ目。中身はトマト、ゆる〜いイタリアンソース、ちょっと焼き過ぎちゃったハンバーグ風パティ、レタス。でバンズ(heel)。
イタリアンソース(……と仮に呼んでおこう)、マダムkでもこんなソースだったんだけど、一瞬ウッ……とくるニオイは正直あまり好きではない……口に入れると気にならなくなっちゃうんだけどネ。パティの硬さが効いていて、バーガー全体としても硬くてややドライな印象。まぁでもコーヒーと一緒に食べてちょうどかな……。量の上での不足はなく、お腹に何か入れたい時には確実にその欲求を満たしてくれるであろうサイズ。他にテリヤキがあったかな?数種類しかないバーガーメニューの基本がなぜか「イタリアン」という辺りに、なにやらバックストーリーが隠されているようにも感じるんだけど、なにぶん今回、検索してもコノ店について触れたページに一切引っ掛からず、もちろんURLもなく手がかり皆無だったので、どーにもこーにも……。BGM――確かJ-POPだったような……。
2005.5.13 Y.Mオーナーシェフの英国人はどうにも"敏腕"らしい。世界各国を渡り歩いた末に来日。代々木上原のWeST PArK CaFE(赤坂店は当"隧"道既出。どおりで近いモノを感じた)、天王洲のT.Y.ハーバーブルワリー(調べたらバーガーあるじゃない……また行くトコ増えた)など次々に手がけていった――って具体的に「何を」「どう」手がけたんだろ?とはいつもながらのシロウトの疑問――。あっ、因みに↑、よく調べたネ……などと感心しないように。お店の入口に貼り出されていたコトなのでね。
中央区は晴海にある晴海アイランド トリトンスクエアのショップ&レストラン街晴海トリトンにある、水のテラスに面した半分明るく半分お酒な雰囲気のお店……長いナ。え〜と、トリトンスクエアとは、要は職住・買い物処&食事処が隣接した、昔で言う団地ないしは小ニュータウン的機能を持つ一画で、下町っ子たち(一応隣は月島ですから)の憩いの場として親しまれていると。でお店の説明……木の床にスチールの椅子・机――これらのインテリアはIDEEで揃えたモノらしい。明るいライティング。ソファにはクッションが並べられ、くつろいだ気分も。天井から下がったテレビにはJリーグの試合が――と、これまでざっと挙げてきた構成要素はWeST PArK CaFE 赤坂店に極めて近い。オーナーシェフがかつて手がけた代々木上原のWeST PArK CaFE 1号店も「西海岸をテーマにした」カジュアルアメリカンとのことなので、きっと"彼(か)の国"の西岸はこんな感じになっているのに間違いなかろう。経営上はWeST PArK CaFE とは無関係、スティルフーズという外食系企業による。このスティルフーズ経営の店がまたアルワアルワ……(これから行こうとしてるお店モネ)あのジェラート屋も、あのクレープ屋もそうだったのネ……という具合で、至る所に勢力を拡げている。
で、コノ店は同じくスティルフーズの人気店、六本木ROTIのグリル版という性格付け。ステーキバーガー\999、トッピングにチェダーチーズ\150。付け合わせなし。クレソンが添えられ、パセリが振られている。白いバンズは表面ケシの実、ほのかに生地の良い香りが。バンズの裏にマヨ、下にフリルレタス、ピク、トマ、オニ。オニオンは今まで食べたことのない、グリルなのに煮込んだかのような絶妙なとろけ加減!チェダーもたっぷり溶けて、パティ、でバンズ(heel)。「スモーク味のする」パティは確かに香ばしく、スモーキーな匂いを放っている。ちょい硬めの肉感、脂はほどほど。分量として肉より野菜組の方がやや勝っているようで、思いのほか肉々しいワイルドさには浸れなかった。BGMはハワイアンがかかっていたようだが、近くの大阪弁のおばちゃんの喋りがあまりに雰囲気を壊すもんだから、途中からヘッドフォンで栓をしてしまった――いや、ウチは母も祖母も生粋の難波人なんだけど、要は喋り方かな?きっと同じ大阪人でもカナワンナァ……と思ったに違いない。お供にパラダイスアイスティー\350。
2005.5.14 Y.M関東地方が梅雨入りしたか・しないかのこの日(昨今予報が曖昧でよくわからぬ傾向)、霧雨の降る北千住をつま先を湿らせながら歩く。誰が好き好んでこんな日に飲みになど繰り出そうか――とまでヒドクはなかったが、それでも金曜の晩にしてはきっとひと気はさほど多くなかった筈である。ちょっと淋しい北千住……
西口、メインストリートきたろーどを少し歩いて宿場町通りに折れ、幅の広いこの通りをしばらく行くとサンロードという通りがあるので左折――こう書くとサンロードもそれなりの通りかと思うが、名前が付いているのが不思議なくらいの普通の路である。サンロードに曲がってすぐ左手にある、渋いアンティーク調のcafe & bar――但し残念ながら、現在カフェタイムの営業はお休みしているそう。
オープンは2004年、テーブル席が3席ほど――あとはカウンターというさほど広くない店内、照明の暗さも手伝って選ぶ余地なくカウンターに座る。自然、若きマスターと会話することに――コレはなるべくなら避けているパターンである(この当時は。取材上の理由から)。まぁイイヤ――割り切って話しするうち、ヤレ沖縄のA&Wが好きだとか、タイにも美味しいバーガーの店があるらしいとかどうとか、ついついバーガー談義に花を咲かせてしまった。ワザと汚したデザインの(網でも張っているのだろうか)壁のスクリーンには『シザーハンズ』が、無音声・リピート再生で……またコレが店の雰囲気に恐ろしくマッチ!!
なにせハンバーガーはこのバーのイチ押しメニューなのである。期待に胸を膨らませつ、チーズバーガー\880を。おともはレーベンだったかな?白ゴマのバンズは久々のふっかふかー!邪魔にならない甘味。中はマヨソース、チー、黒胡椒のかかったパティ、何気にレリッシュ、トマ、潤い湛えたレタス、マスタード、バンズ(heel)。手に持つとそんなに温かくはない。きっとバンズへの火の通し方の加減だろう、フワフワ食感を優先させているものと思われる。一方でパティの焼き加減が絶妙!!ミディアムくらいだろうか、赤味を残してふ〜んわり柔らかい。
さてこのバーガー、何が美味しいかと言って黒胡椒とマスタード、つまりスパイスの味の利かせ方こそ超絶に巧い!!両者ともグイグイ存在感をアピールしてくるが、されどしつこ過ぎず、パティと野菜を中心に据えた味の体系を崩すことなく、でも好きに暴れ回っている感じが超魅力的!ふかふかバンズとふんわりパティの感じから、基本はやわらかいモノを口にしている感覚なのだが、しかし一方でコレぞハンバーガー!というガツンとしたパンチが効きまくっている――この鋭敏なるバランス感覚!たまらん!!別な言い方をするなら、しっかりした味のバーガーなのに、バンズとパティはふわふわ〜!正直ソンジョのバーガーショップは軽く凌駕している。でもcafe & bar。ちょと照明が暗く、撮影に自信がなかったので(そんな理由かよ)、チーズバーガー完食後、さらにエッグバーガー\880も(↑画像)。
付け合せ――フレンチフライにピクルス。BGMは恐らくネットラジオを流していたが、'80sロック/ポップス専門局らしく、スターシップの「セーラ」、Mr.ミスター「ブロウクン・ウイングス」など、雨の日によく似合う曲の波状攻撃で、なかなか席を立てなかった。
→ 【二ッ目!】蜂の巣 [北千住] のベーコンチーズバーガー
― shop data ―所在地: | 東京都足立区千住3-56 高橋ビル1F | |
JR・東武・東京メトロ・TX 北千住駅歩6分 地図 | ||
TEL: | 03-3888-2690 | |
オープン: | 2004年7月 | |
営業時間: | 17:00〜26:00 | |
定休日: | 日曜日(月曜日が祝日の場合は日曜日営業、翌月曜日休) |
●団子坂
またも初めて降りる駅――千駄木(せんだぎ)。地上に上がると真上は団子坂(だんござか)下の交差点。この交差点を基点に団子坂と、その反対側の坂――谷中霊園から上野へと至る――の両脇は、背筋のしゃんと伸びた老舗の佇まいの合間合間に、若者たちが自ままに始めたカフェ・喫茶・食堂がうまく入り込み・溶け込んで、なにか箱庭のような手のひらにすっぽり収まるスケール感の中、一種独特の落ち着きある光景を呈している。古い町に若者の往来――
その団子坂を登る。登り切ると道幅がにわかに広がり大観音通りと名を変える。商店街を少し歩くと駒込大観音(おおかんのん)という、江戸の頃なら差し詰め邪教の巣窟、帝都の御世なら怪人二十面相のアジトが如き妖しの観音堂が現われる……ハッ!そうなのか!!かつて江戸川乱歩はコノ団子坂に住んでいたのか!!『D坂の殺人事件』の「D坂」とは団子坂のことと。ほほぉ……
●ガレージ
くの字に曲がる坂の途中にある店。ときにすれ違うのも窮屈な狭い歩道なので、窓際の席に座ると歩く人の顔がすぐ真横に迫って見える。ビルの1Fをトタン板で囲っている――2Fの美容室と揃ってコノ古い雑居ビルをイマドキなセンスで甦らせている感。入口は正面でなく店の側面、階段の踊り場にあって、ともすれば坂を登る勢いで行き過ぎてしまいそう。渋〜い木の扉とその上に付けられた電気メーターのレイアウトがたまらぬセンス。
アメリカンガレージな店内。鉄骨むき出しの天井に電飾チカチカ。アンティークなサインボード・小物の数々に、デザイン・種類バラッバラの椅子のセンスは下北テイストか。席数は多くはなく、ゆったりと間を空けて置かれている。客は女の子がほとんど。スタッフも女性ばかり2人。どの組も概ね物静かに、どちらか言うとぼそぼそと会話をしていた。淡々とした時間の経過と静けさを売りにした店。BGMはビートルズ『サージェント・ペパーズ・・・』からジャック・マクダフみたいなオルガンジャズへと。
●女性オーナー
バーガーメニュー11種。チーズバーガー\900、何の飾りもない、白い無地の皿に乗って。バンズは表面ザラッと、見た目テーブルロール系、味はコッペパン風で端正な身の薄さ。crown を斜めに傾けて出してくる。途中、真っ白な紙袋を両手に提げたヒゲのおじさんが入ってきて、袋の一方をスタッフに渡していたが、その紙袋からバンズと思われるパンのアタマがちょっと覗いているのが見えた……ひょっとしてこのおじさん、コノ店にバンズを提供する町のパン屋さんで、自分トコを閉めた後、帰宅の途中に届けに寄った……という場面だったんだろうか?
中身はチー、パティ、レリ、マヨかかったトマ、生オニ、そして何重にも畳まれた白いレタス。チーズはアメリカンチェダーを2枚使っているが、やはりそんなに強い味はしない。レタスとオニオンは歯応えが気持ち良い。トマトの酸味だけが独り逆向いてるみたいで、やや浮き気味に思えた。そして特徴あるパティ――すご〜く細やかな味がする。肉の粒々がぎゅっと締まった感じが良い。たまにコリコリした肉感に当たるのも良い。おとなし目な胡椒の味もまた良い。相性はコーラよりもカフェラテが最高!女の子が作っているのがなるほどと頷ける、細やかなセンスに満ちたバーガー。"女の子作"という点でココの感じに似てるかな?
●カーリーフライ
ときにこのパティについて某所では「ここのパテは神戸牛と近江牛でできているとのこと」と言い、別所では「松阪牛を使用したビーフ100%の本格的なハンバーグは、とってもジューシー」と書いていた――お店のHPがあるだろうとタカをくくっていたら無くって、結局ホントのところは分からず……情報元は一体何処なのか。どちらかが正しいのか・両方違うのかは分らぬが、とにかくテキトーなことは言わないよーに!(正解は産地不特定で国産牛100%)付け合わせはクルリと巻いたカーリーフライ(ってそのまんまか)とお菓子風味に甘いピクルス。
銀座七丁目、コリドー通り……と言ってもよく分らぬだろう。JR、東京高速道路の高架を挟んで帝国ホテルの反対側。TEXAS & MEXICO FOOD BAR――つまりテックスメックスってことなんだけど……そういう臭気は嗅ぎ取れないような。店構えはどっちか言うとカラオケ屋のフロントを発展させたような感じ?店の奥に上階に上るエレベーターか地階に下る階段でもありそうな気配なんだけど、ところが無いんだなぁ〜ナゼカ。高〜い天井。大き〜いガラス窓にはスクリーンが下がり、プロジェクターで『トムとジェリー』を上映……そう、まさに『トムとジェリー』がふさわしい陽気で賑やかで騒がしいお店。スタッフのノリと言うかスピリットに居酒屋的なモノがあり、オーダーとる声・業務のやりとりがとにかく大きい大きい!店名が如くグループで楽しむのに好適。入口両脇にはリビングセットが3組ほど置いてあるんだが、座高の低〜い、奥行きの深〜い、そしてブッカブカな椅子で(流木のソファ)、半分寝転ぶようにしながらダランダランと……でも騒いぢゃう感じ?居合わせた一団もぎゃーこら騒がしかったなー。奥には一段上がった一角や一段下がった一角(インディアンのテント)もあり、とにかく団体さんがウダウダやるトコかな。よってカップルが静寂と落ち着きを求めて……と言うのには向かない。銀座と言うより渋谷なノリの店。BGMもうるさめなロック(有線)をうるさめに流……いや、中音域がやたらとブーストされており、むしろ音が完全に割れている――これでは何をかけても聴き苦しくなるワナ……木の梁が印象的な馬蹄型のカウンターバーはテックスメックスと言うよりもポリネシアン?柱にかかる"お面"にはタイら辺の仏教色があり、そうした意味では東南アジアン?太〜い手すり……と言うか、肘乗せだね……が付いており、コイツに肘を乗せ……と言うか上体を預けるようにしてバーガーを頬張る。
オリジナルハンバーガー\1,020にチェダーチーズ追加\150。お盆のように丸い木皿に乗って。付け合せはフレンチフライ。てっぺんに串が2本、でも実用的意味は無さそ。中身はレッドオニ、トマ、チー、パティ、レタ、下バンズ。バンズはグラハム系、そしてややモロモロ&ムッチリ系。中華蒸しパン、あるいはイマドキ流行りな乾パンをソフトにしたようなサンドイッチ用パン?わかる?一瞬ホンの微かに食欲を誘わない粉のニオイがする。パティはハンバーグ。薄い塩味が付いている。レタスは"挟まっている"と言うよりはパティの下に"敷いてある"感じ?――少量でした。チーズはしっかりイイ仕事残してるんだけど、全体に滋味には乏しいか……。サービス料10%、お供のキューバリブレはしっかりラムが効いていた。
で――此処パシフィック銀座ビルはエスケイ・コーポレーションという会社が経営するレストラン、バーが全ての階に収まっており、各店巧みにコンセプトを変えながら全館挙げて見事なエンタテインメントぶりを発揮している――コノ店は謂わばそのエントランスに当たるワケ。略して"S&G"はちょーっと度胸あるよネ。そうそう、あまりに暗かったので手前のマスタードに一旦ピントを合わせて、そのまま撮ってしまった……って文章に脈絡ないけど。
2005.7.8 Y.M天王洲エールという地ビールで有名なお店。「50年前にできた倉庫の建物はそのままに、醸造設備をもったブルワリーレストラン」に改装して'97年オープン。入口に大きなビールのタンクが何槽もあり「運が良ければビールの仕込みが見られる」。天井(と言うか屋根)高14mは確かに高いがヨコの"幅"については、タテ長な倉庫のほんの一部を壁で仕切って使っている感で、まだ奥あるんじゃな〜い?と妙な閉塞感にとらわれる……のは多分、私だけ。でも厨房巨大、働くスタッフも多数。運河に面したデッキは特にこの時期、どう考えても気持ち良さそうなのだが、禁煙席をオーダーしたら屋内の席に。比較的最近改装し直したものか、テーブルもソファもまだ真新しい。"倉庫跡"という言葉からイメージされる簡易的なあるいは特設的な風は一切なく、店内外ともトータルなデザインコンセプトに貫かれて「都市的な水際の」「カジュアルな」おとなの空間を見事に演出し切っている。客層はもちろんカップルあり、女のコばかりでお誕生日の集いあり、男8人多国籍な一群あり、赤ちゃん連れあり、更には国際結婚の赤ちゃん連れ何組もあり――「平和」と「豊かさ」を実感できる土曜の昼下がり――
ココの英国人シェフがかつて手がけた店――ということでマーク(店名自体は前の仕事の関係でよく知っていたが)。"ネオ・アメリカン料理"とか"カリフォルニア・キュイジーヌ"とか、そのような呼び方でその料理を表現しているが、要はその通り、近年台頭著しいアメリカンダイナーなお店のひとつとして、方向性はココやココやココなどと近いのだろうと思う。
ハンバーガーはランチのみ、しかも平日の登場機会は不定期、確実なのは土日のブランチだが、週末は貸し切りパーティーやウエディングの入ることがあるので、思い立ったらまず「営業時間変更」を確認のこと。T.Y.ハーバーバーガー(リアルアメリカンスタイル)170g\1,600。チェダーチーズのトッピング\100。お供にはコノ店の基本=ペールエール、パイント\800。付け合せはバーガーの量の2倍はあるフレンチフライ。それにタルタルソースとケチャの入った小鉢。タルタルは単体だと何と言うか……ちょっと詰まった匂いのクセの強い味なのだが、バーガーに付けて食べるとパティやトマトの甘味を見事引き出すナイスアシスト!バンズは表面白ゴマ、きめ細かな黄色い生地のブリオッシュバンズ。ややくすんだ皮の色が魅力的。上等なバターロールという感じで、ほんのり抑えた甘味と芳しい香りがまた魅力。中身は、派手さはないが深いコクがあって美味しいチェダーチー、ジューシーな塩味が美味しい丸ままのピク、トマ、スクエアな食感のレッドオニ、レタ、パティ、再びレタ、下バンズ(heel)。パティは表面しっかり焦げるまで、中はゆる〜く赤みが残る焼き加減。繊維質がヨコにぎーっしり詰まった、しっかりした噛み応え。傾向としてカリフォルニア・キュイジーヌを謳っているお店のハンバーガーには整った味が多く、ドッカーンと炸裂するような派手さやワイルドさは少ないように思われる。ココのバーガーも見た目華やかではあるが、ぎゅーっと締まった、しっかりとした食感。「サンフランシスコから技術を導入して作られたビール」は当然米国風に甘口でライト。バーガーにはいつもギネスなど濃い目のビールを合わせていたが、今回のペールエールとの取り合わせは、まさに7月・土曜の昼下がりに相応しく、サッパリ爽やかだった。BGMもオシャレに爽やかに、ブラジル系ジャズvo・ボサノヴァなど。
2005.7.16 Y.M"夏休み"とくれば旅!まだ夏真っ盛りの頃、せめて気分だけでも"夏休み"を……と、ぶらり玄関口まで行ってみた。去年出来た第2ターミナルビルはまだ真新しく、入るお店も錚々たる顔触れ……「赤坂璃宮」「ドンサバティーニ」そして何故か「新宿アカシア」も。みやげ物売り場も豪華絢爛、煩悩直撃のスイーツ光線がキラキラと光り輝く。かつて憧れの乗り物だった時代のステイタスをいまだ根底に据えながら、現代のお出かけスポットたる必要条件を十分過ぎるほどに備えていて、強烈に魅力的である。ホント、このスイーツのラインナップはみやげ物の域を超えてるヨなぁ〜デパ地下同然。お使い物にするには勿体無過ぎる。誰より買った本人が食べたい……なので欲望の向くまま"2時間後の自分"のために土産でも探そうかと、夕食済ませたそのイキオイでイソイソ売り場に乗り込んでみれば――既にシャッターの降りたる由……。閉まるの余りにも早過ぎ。
ターミナルビル5F、展望デッキへの出口ヨコに位置するアメリカンダイナー。さすが"ターミナル"にふさわしい店の造り――というのを今回こそ旨く説明してみようと思い、少なからず調べてはみたのだが、20世紀デザイン史を系統立てて、あるいは定義付けて教えてくれるような好ページに巡り会うことなく、試みは結局失敗に終わった。目黒通りの住人に見せたら鼻で笑われるような拙文だが、それでも知り得た範囲でコノ店について書いてみると――ミッドセンチュリーと呼ぶであろう、ダイキャストや成型合板など工業製品を多用したインテリア。トーンの基調はアルミ色と明るい茶。極力"角"を排した丸いデザイン。白い柱も柱頭の部分(天井との接面)が喇叭状に広がり、緩やかな曲線を描いている。そしていかにも空港のラウンジにありそうなアームチェア……すべてが旅客機ないしは空港を意識しているように思える。私が今回確かめたかったのは、こんな感じの、きっと当時"近未来的"と捉えられていたであろうデザインの数々は、実は旅客機や空港の先進的なデザインに由来するものなのではないか……ということだったのである。つまりアメリカン・モダンはそもそも空港から始まったと。しかし残念ながらそれを裏付けるものを見つけることは出来なかった。ただ当時、建築家・デザイナーが空港のデザインを手がける/任されるという例は少なくなかったようで、彼らの代表作に数えられるほどの傑作も在るには在るのだが、しかしこの場合それでは話が逆である。とにかく――ミッドセンチュリーと呼ばれる前時代的近未来デザインは、かつて憧れの乗り物だった時代の記憶を多分に呼び覚ましつつ、世紀を超えてなお近未来的で在り続けている――という、その点だけは疑いないだろうと私は思う。
エラク長くなったが、そんなワケで、コノ店は"空港"に期待されるイメージを見事カタチに表現している。ところでコノ店の店名、「American Diner」まで含むらしいのだが、その一方で隣に座った家族連れはカツカレーを頼んでいたり……。カツカレーの出て来るアメリカンダイナーなぞ聞いたことが無い。まぁそこは展望レストランとして期待される役割も同時に果たしているということで……。BGM――洋楽ポップス有線がかなり大き目に。
チーズバーガー\1,400。アイスティー\650。バンズ……この大判焼きみたいな質感のバンズを見たら要注意。さっきまで冷凍庫で眠っていた可能性が高い。表面白ゴマ、裏バター、濃い味のチリソースがふんだんにかかり、チー、パティ、下バンズ。熟したトマ、シュレッドオニ、シュレッドレタ、ピク×2、マヨ――以上外付け。パティもバンズ同様分厚い。肉質は硬過ぎず、粗くなく、されどやや迫力は無いか。チリソースの支配率がとにかく高く、コノ味ですべてが片付いてしまっている感じ。シュレッドしたレタスはサニーレタスか、ややサラダ風。挟んでバラバラ落ちないかと心配するも、予想に反して煩わしい事態には至らなかった。付け合せは赤、黄、緑、三色のトルティアチップス(←ド○タコスみたいなの)。やや湿気ってる感じがしたのは季節ゆえか。
屋上デッキからはダダっ広い飛行場と、その手前ほんの僅かな面積を使って運行するANA機の離着陸の様子を見ることが出来る。ちょうどこれからの季節、天高い秋晴れの日にでも日がな一日ジャンボ機の発着をぼ〜んやり眺め……なんて使い方が良いかも知れない。のんびりするには最適の展望デッキ。で、ふとデッキ前方に目をやると、そこに見慣れたロゴマークを発見……あぁ!WeST PArK CaFEがこんなトコにも店出してんだ。手広いねぇ〜。WeST PArK CaFE スカイ ファウンテン――しかもつい7月末に出来たばかり。スタンド風の店で、バーガーこそ置いていないがロールサンドなどテイクアウトメニューが中心。階下に通常の店舗もある……って違う店の話で〆るってぇのもどうかと。
2005.9.6 Y.M四たび英国人シェフ、イアン・トーザー氏プロデュースの店――WeST PArK CaFE(手掛けたのは代々木上原店)、ROTIGRILL、そしてT.Y.HARBOR BREWERY――こんだけ行けば味も一緒でしょ……って当の私も少しは思っているのだけれど、しかしその立地の面白さと話題性から、ついまた行ってしまった……
つくばエクスプレス開通で俄かに注目の街――秋葉原。開通に併せて新装したJR秋葉原駅昭和通り口は地中深くにTXが8月24日、さらにすぐ隣には超巨大家電量販店ヨドバシカメラが9月16日にでっかくオープン予定で、今後利用客の大幅増が見込ま……れるかどうかは分からないが、重要な改札口となった。その改札脇にへばり付くようにして造られたアトレヴィ秋葉原はアトレに比べて小規模タイプの駅ビル(ホームページより転載)。それにしてもココは行き難い。山手線と総武線が交差する従来の秋葉原駅から見れば、昭和通り口は云わば「離れ」のような場所に位置する(なにしろ道路一本挟んでいるのだから)。今回、外から建物を探索して随分迷ったのだが、果たして構内からは簡単に辿り着けるのかどうか……。
近年リフォームブームとは言えコノ店、何を思ってかコノ狭小アトレに出店し、しかもそんな劣悪条件を"モノ"ともせず、本当によく頑張っている。駅という機能上、朝は7時から、しかもまずまず許される値段でモーニングセットを出しており、ランチは17時まで、夜は23時までと、店構えとその実力からは想像もつかぬような低姿勢で臨んでいる。隣にはタリーズが入っているのだが、狭さと入口に絶えぬ行列を見る限り、2Fはチェルシー1店で良かったのではないかと……。
先ほどから狭小狭小……と繰り返してはいるが、実のところそんな感じはあまりしない。WeST PArK CaFEのような黒塗りの天井の効果か。床は石材、壁は赤レンガ、濃い〜臙脂のソファにダイニングチェア。シックで少し旧めなダイナー。窓外は昭和通り口の改札――コノ窓は眺めと言うより空間構成的意味が強い。店を囲むガラスには間隔を空けてビアパブ風のロゴ(←私の中では)が貼られる。例によって二階から目薬、天井からはテレビモニターが。『チャーリーズ・エンジェル』をリピート再生していたが、ゴージャスな雰囲気がピッタリ!BGMはタルいブラック。
チェルシーマーケットオリジナルバーガー\1,100、トッピングのチェダーチーズ\200。ランチなら上記値段でドリンクが付いてお得。フランスパン系、硬めの皮のバンズは白いケシの実、裏バター。中身はマヨ、チェダーチー×2、ソテーオニ、パティ、特製ソース、バター、下バンズ。外にサニレタ、申し訳程度のトマ×2、ピク。パティの質感が久々のヒット!粗挽き肉の粒々した食感が軽快で、ザラザラ・コリコリしていながらもパティ全体としては柔らかさも併せ持つ。なにより熱いのが良い。オニオン(サイト記載ではレッドオニオン)はROTIGRILLを髣髴とさせる絶妙なソテー、デミ系ソース(サイト記載ではBBQソース)は強い味で主張ハッキリ、しかしクドからずマヨとよく融合し、さらに熱いパティと合流して、うねるようなイキオイが生まれている。溶けていないチェダーチー2枚はむしろソレが功を奏してかホントに濃厚なチーズ味でソース&マヨと三位一体、濃い味+濃い味+濃い味+熱の競演は決して脂っこくはならず、至極的確な旨味と活力を生み出している。ピクルスはどこで何してるの?という地味さだが、これ以上味が被さっても……という状態なので、むしろ目立たぬくらいで吉。付け合せはフレンチフライ。何より肉の味が非常によく活きており、野菜過多で主役埋没気味のバーガーと比べ、その辺の配分の妙がこの好結果に結び付いているものと信じる――てなワケで、秋葉&駅構内にしては勿体無いヒット!
2005.9.9 Y.M今朝(12月21日)のニュースでニューヨークのバスと地下鉄がスト――と報じるのを見て、ふとココのことが頭をよぎり、ぷらと行ってみた。全館総紐育化で売るアトレ品川の4F、最も目立つ位置に陣取るZakka & Cafe。"カフェ&雑貨"――でないのは単なる言い易さだろうか。Zakka & Cafeなどと聞くとついZap & Rogerなんて浮かんでしまうのだが、両者は兄弟でも何でもないらしい(当り前だ)。あーあとその昔、東横線の高島台−桜木町間の高架下にフランク雑貨(≒Frank Zappa)なる店を見つけて笑い転げたことがあるが、そんなことはどーでもよい。「飛行機でニューヨークへお着きになったら、カフェ・ラウンジでごゆっくりおくつろぎいただき、地下鉄に乗って「ニューススタンド」のあるブロードウェイの街なかへ、さぁどうぞ!」見た感じすごく惹かれる造りで、店前には広々とテラスが構えられ(屋内だけど)、壁には地下鉄の車両が埋まっている。実は数日前にも食べに行っていて、そのときはピニャコラーダにパスタを頼んだ。このアミューズメントな造りからメニューもさぞ凝ってるんだろうと想像していたのだが、意外やあっさり、サラダにサンドイッチ類、ピザ、パスタ――こんな括りでおよその説明がついてしまうくらいの、つまりは空港待合ロビーにある喫茶室の軽食ノリをウンとオシャレに見せているカフェである。ハンバーガーは、このメニューの中にあっては実は目玉メニューかも知れない。チーズバーガー\950、道連れにトロピカルアイスティー\600。
とは言え、空港ロビーや地下鉄ホームに"あたかも居る"かのような、そんな厳密なリアリズムはなくて、まぁ地下鉄の雰囲気をツマミにコーヒーでも飲みましょうヤ……って感じかな?通路挟んだ隣にGRAND CENTRAL OYSTER BARの世界第2号店があるのだが、コッチの方がGRAND CENTRAL STATIONの(←Graham Central Stationデハナイ)駅構内に在る本店の、いかにも駅構内らしいアーチ型天井を(多分)ホンモノさながらに模していて、リアリズムという点でなかなか……。イヤ実はコノ前入ったのである、オイスターバー。でも胃の調子が優れない頃だったのでカキは頼まず、温か〜いクラムチャウダーをいただいた。話戻してTRANSFER、趣を異にする4つのゾーン(空港待合カフェ、空港ソファラウンジ、地下鉄プラットホーム、地下鉄車両)はやはり時節柄、どこも大いに賑わっている。BGMはギターデュオによる生演奏――1曲目:Straight No Chaser、2曲目:Days Of Wine And Roses、以降私の曲当てはハズレまくったので略……
でチーズバーガー。オープンフェイス。白いバンズは表面ケシの実。厚みがあって見栄えがする。crownとheelを重ね合わせて、上からレタ、薄く切ったトマ2枚、シュレオニ、サウザンソーた〜っぷり!チーズは黄色いチェダー、パティ、でバン(heel)。バンズは何と言うか……抵抗に屈しないバンズ?口の中で質量がなかなか減らないので少々モサる。「100%ビーフに和牛の旨味を加え、ふっくらと仕上げたオリジナル配合の特製」パティがこれまた分厚くて高さがあって、ホンに立派立派!見た目に比して味に派手さや刺激はなく、おとなしい部類なれど存在感という点ではきっちりとその役割を果たしている。オニオンとの相性が良かった。サウザンはかかる量の割に酢がキツくなく、味を組み立ててゆく(あるいは支配する)ようなポジションではない。見せるタイプのバーガー。量と見た目に不足ナシ。付け合せにフレンチフライ、後口に自家製浅漬ピクルスを。
近くにアメリカ人が座ってたんだけど、大きなバーガーを大きな片手でムンズと掴む姿は、やっぱり画になるねぇ〜!帰すべきところに帰した感で、思わず一枚撮り収めたくなったが、そこをグッと我慢して代わりにウィンクを投げておいた――ウソだから。個人的には地下鉄車両の内部はダダーン!とロングシートにして欲しかったかな?(ちなみにクロスシートのテーブル席は今は無きビクトリアステーションだっけ?)気軽に品川に溶け込めるイイ感じのお店。
2005.12.22 Y.M103店目にしてついに登場!の屈指の名店は、当企画100店目を祝す候補の一つでもあったが、巡り合わせ悪く、これまでずっと有り付けずにきていた。「雑感」でも書いたように、初めて訪ねたときは売切れ御免で泣く泣く引き返した。次に徒歩0分に住む友人と連れ立って行けるよう日程を調整していたが結局合わずに流れた。それでもようやく都合が付いて五反田に向かった時があったが、しかし我が意に反して胃腸の調子がまるで思わしくなく、その不振の胃腸にウソを付いてまで食べることが、とてつもなくシンドイ作業に思われたので、店の前まで行きながらにしてこの日は自重して引き返した。そして今回、訪問三度目にしてようやく食べることができた。三顧の礼とはこのことだろうか。
八つ山通りを品川方面に進み、ある交差点で立ち止まって、右に曲がれば目下ロングラン上演中のキャッツ・シアター、左に曲がればコノ店――というのがおよその位置関係。なので『キャッツ』観た後にフランクリンでお茶する――というのが黄金コースだろう。坂の上り口に在る。コノ坂道を上ると島津山。江戸期は仙台藩伊達家の下屋敷であったところを、明治に入ってから旧鹿児島藩主・島津公爵が邸宅として使用するようになり、その名が付いたそうである。今は清泉女子大学のキャンパスになっており、一帯は都内でも有数の高級住宅地として知られる。その邸宅街の入口に全く同じ外観の建物が2軒隣合って並んでいる。何処かの国の大使館官舎として建てられたものを使っているそうなのだが、その向かって右の棟がフランクリン、左はヌキテパという、これまた有名なフレンチレストランで、実は両店は庭でつながっている。7025...という意味深な店名は何処か外国の住所だろうか。クラプトンの『461オーシャン・ブールバード』みたいなモノなのだと思う。
店内……と言うか邸内は、1階リビングをそれはそれは広々と贅沢にとった間取りで、お店と言うより桁外れに金持ちな知人の家に招かれたような感覚で、どこか家庭的なくつろぎを感じる。有名な中庭に向いた一面は全面ガラス窓になっていて、この中庭から入る白くやわらかな光の中、庭を眺めつ、暖かな部屋で食事をするのは誠に誠に心地好い。季節が良ければ庭にテーブルを出してオープンエアで食事もするのだろうが、でも庭で食べるより、開け放った窓越しに、室内から庭を眺めて食べる方が多分気持ち良いと見た。その中庭はこの冬の時期にあってもきちんと手入れがされているようで、さっぱりと気持ちの良い眺めである。季節になればきっと折々の花が美しく咲き誇るに違いない。奥に見える大谷石の石塀が年代を感じさせる。私的にはこういう庭先をネコが一匹、何食わぬ顔でヒョイと横切ったりすると、もう一発KOである。ちなみにこの界隈けっこうネコが多い。キャッツ・シアターの立地もその辺りを勘案してのことだろうか……
室内に目を戻し、壁に設えた暖炉――てっきりただの飾りモノと思っていたら、よく見るとチロチロと火が入っている。現役で使っているとは素敵!まさか石炭ではあるまいから、ガスだろうか。一段下がったオープンキッチンの周りには鉄板焼きのソレを想起させるカウンター席がぐるりと半周。庭に向いて座っている恰好だったのでキッチンの様子はそんなによくは見なかったが、火の上に何本も鉄棒を並べた一角でパティが絶えずイイ音を立てながら焼かれていて、時おり窓ガラスに炎が上がるのが赤く映る。
チーズバーガーLarge 149gで\1,150、パティの大きさによりMedium 112gとEx. 225gから選べる(値段は失念)。びっくりするくらい一部の隙も無いバーガーである。すべてはひとつ目標を達するためにある――というような鉄壁のまとまり方で、その目標に対してソッポ向いている食材がひとつとしてない。無駄なモノが一切ない。
まず白ゴマの乗ったドーム型バンズ。裏面がカリッと焼いてあるが、しかし必要以上にこのクリスプな食感に注意が行かないようにしてあるのか、焼き過ぎず、「カリカリッ」ではなくカリッ。下にピクルス1枚、キレイなトマト1枚、天使の輪のような生オニオン、マヨソー、レタス、謎の特製ソー、チェダーチー、パティ、下バン。鍵はレタス。コノ店の料理長によるハンバーガーの作り方が某業界誌に載っていたのを立ち読みしたことがある。それによると、レタスは適当な大きさに切った後、冷蔵庫に20分ほど入れておくと水分が適度に飛んでパリパリとした小気味好い食感になるのだそうであるが、実際に口にしたレタスはまさにその説明どおりの軽快さで、しかも恐ろしいほどコンパクトにまとまっていて食べやすい。オニオンの辛みも程好く、トマトもさっぱり爽やか。そしてパティ――コレはもう本当に焼き方命!丁寧に、丹念に、繊細に、そして絶妙に火を通してあって、焦げ目にすら深い滋味が感じられる。ひと口ひと口、舌の上で転がしながらじ〜っくりと味わうべき肉であるが、しかし我が欲求は止まる所を知らず、あまりの美味しさに次から次へと口に運んで、149gパティのハンバーガーは瞬く間に目の前の皿の上から失せてしまった。謎のソースはよくハンバーグステーキにかかっているような種類に近いだろうか。刺激的でも自己主張の強いモノでもなく、肉の傍にあってひたすらに味を引き立てる役回り。これがとてつもなく美味しい。上下バンズはまるで吸い付くようにピタッと中身にフィットして、崩れない。下バンがブヨブヨにフヤケないのはレタスの水分を飛ばした効果だろうか。付け合せはクレソンが一添えだけ。邪魔なポテトが付いていないのを見たとき、内心ガッツポーズをしたものだ(デリバリーでは全品にフレンチフライとオニオンリングが付く)。バーガー13種、サンドウィッチ15種。確かに本式のサンドウィッチを扱うお店の繊細さと心配りに満ちたバーガーであるように思われた。ある種欧風なワケである。
クリスマス飾りも家庭的(非商売的)で素敵だった。ところがBGMがおかしくって、この落ち着き澄ました雰囲気の中にあって、ハードロックなギターによる、つまりはジミヘンの「星条旗」みたいなノリのクリスマスソング集が、小さくはあったが確かにギュイーンと鳴っていた。どこかで聴き覚えのある音だったな……。その辺も含め、ただ品良くかしこまってるだけの店じゃないゾ!という心意気が端々に感じられて、ますます興味深く思えた。イイから黙って食べに行きなさい!――というレベルのお店。
2005.12.25 Y.M久々の東京なのである。イヤ別に、転勤していたわけではない。
【sun-dae】……アイスクリームの上にチョコレート、フルーツ、シロップをかけたデザート、あのサンデーのこと。そんなポップでスウィートな店名の響きとはやや裏腹に、通りから一段下がった半地下の店内はビターな大人の気配に満ちている。シックな黒いシートに白いタイル貼りのテーブル、白い壁・天井にウッディなカウンターとキャビネット。ファンがユラユラと回る、この薄ぼんやりとした黄色い暗がりの中、イーグルスの「ラスト・リゾート」なんか流れた日にゃ〜もぉ〜っ!!どこかウェストコーストの憂いと影を帯びたような、そのクセぶりにしびれる。
ハンバーガー(綴り:Ham burger)\950、メニューには書いてないけどチーズのトッピング\100。よく焼けた白いバンズはオモテに白ゴマいっぱい。ゆるいソー、トッピングのチー、パティ、トマ、生のオニ、レタ、下バンにはガーリックバター。メニューにはあとマヨネーズ、BBQソースと書いてあるのだけれど……確認出来ず(きっと私がボンクラなだけだろう)。上バンは裏もよく焦げ、同じくよく焼けたゴマとともになかなか香ばしい。美しく畳まれたレタスは歯応え爽快!パティに派手さはないものの、渋めの味をきっちり利かせて安定した存在感。あとはトマト系のゆる〜いソースがガーリックバターと出会って、まるでイーグルスの「言い出せなくて(I Can't Tell You Why)」のエレピのような、ゆる〜い、甘だる〜い雰囲気をたゆたわせている……って書いても何のことだかさっぱり解らないよネ?最近ハンバーガーについて書いてんだか音楽について書いてんだか、自分でもよく解らぬ境界に突入気味――まぁむしろそれぐらいで丁度?決して派手ではないが、お店の色を見事に身に纏ったバーガー。付け合せはピクルスにフレンチフライ。おともは毎度のキューバリブレ\650。
なによりあの落とし目のライティングがツボ。少し疲れたとき、テーブルに頬杖付きながら、何か取り返しのつかない思い出を手のひらの上にひとつ取り出して、思い返している――そんな自分を嘲りつつ、でも独りいつまでも思い返してしまう――そんなコトするのにちょうどよい、気だる〜い空気が漂ってくる――そんなお店……なぁんて言ったらお店の人に怒られるか。イヤイヤ!どーぞ大人数で盛り上がっていただきたい、そんなお店……なんだけど、そこはさすが恵比寿、どこか一枚オトナのフィルターのかかった、落ち着きと余裕の漂う雰囲気が魅力。そう、そう言えば名代のサンデー食べなかったな……イヤイヤ、あんな強烈なモン、まして夜になんか食べたら太るからぜったいにダメェー!!……なぁんて言ったらまたお店の人に怒られるか。昨年オープン。
2006.3.25 Y.M最寄駅――乃木坂……いや、赤坂?でもビミョーに乃木坂か……ってまたやってるよ。この辺、ホント判定が難しいのである。ま、どっちからでも近いは近いんだけどね。千代田線両駅の中間、赤坂小学校(旧・桧町小学校)の辺り。どちらか言うと近隣オフィスのお昼の空腹を満たし、午後の仕事の質を高めるお弁当屋さんといった感じの立ち位置。メインはデリバリー。イートインもあるにはあるが、休憩室の机椅子といった風のソレが申し訳程度に10席ほど並べられているだけで、「お店で食べている」と言うよりは厨房の片隅で賄いをいただいている風情の店内。壁も梁も随分単純な壁紙を巡らせて、インテリアらしい工夫というものはまるで廃されている。そしてそこら中にうずたかく組み上げられたデリバリーの箱また箱――何だろ……原状回復せずに出て行った前のテナント跡をとりあえずそのまま使って弁当屋を始めてみたところ、予想外に忙しくなって改装どころじゃなくなっちゃたまま、ズルズル……みたいな雰囲気かな?あんまり適当なことばかり書くと、いい加減お店に怒られそうだが、別に悪気があって書いてるわけでなく、とにかくエラク奇異な体験ができることを強調したかったのである。これまでにない妙な空間……。繰り返すが、メインはデリバリー。イートイン"も"できる。BGMはゴーゴー唸る換気扇の音と細木数子のTV番組。そう、義理堅く――チャンネル☆ロック!TBS
しかしこんな作業場チックな殺風景な店内から、こんな魅せるバーガーが出て来るとは誰が想像しよう……
チーズバーガー\900、フレンチフライandオニオンリングorサラダ付。一緒に頼むとドリンク\200。赤い厚切りトマトのテーブルの真ん中に甘いピクルス1枚載せて、マスタードで黄色く渦巻きを描いた愛嬌あるフェイス。その下は生オニ、マヨ、レタ、ケチャ、チー、パティ、下バン。とにかくヨコに大きいバーガー。バンズも幅広、表面白ゴマ、ツヤはあるが細かーく皺の入ったシャリ系の皮。裏こげ目。下バンも同様な直径で実に安定感ある見た目だ。そしてさらに驚くのは、パティがこの大ぶりなバンズにぴったり円周を合わせてきていること――これは相当なボリューム!ミンチをギュギュッとしっかりしっかり固めたこのパティ、噛み締めると心地好い歯応えがしっかりしっかりと返ってくる、安心の逸品。メインはマヨネーズとケチャップの甘い味で気持ちよくまとめ上げられた野菜陣なのだが、こうして心置きなく野菜が活躍できるのも、このしっかりとしたパティの下支えがあってこそ。軽く塩コショウを振った程度の地味目なパティながら、他の具材を引き立てることにおいて、その存在感を如何なく発揮している。野菜はどれも良質。中でもレタスは「折り畳まれた」と言うより包み込んだと表現するのがふさわしい、特殊な畳み方。付け合せのサラダもツナがゴッソリ盛られて、これだけで中々なボリューム。甘い中にも鼻梁の通った、案外と爽やかなバーガー。ウェンディーズ党なら支持間違いなし!シン=フェイン党ならどうだろう……
Homework's のスッキリシャッキリした味に通ずるところアリ。あるいはその流れを汲んでいるかも知れない。あまり適当なことは書けないが……とか言いながら写真を比べるてみると、Homework's ともFranklin Ave. とも具材の積み方が同じなのである。ほぼ間違いなく此処に一派があるナ……と確信の色を濃くした次第(Homework's とFranklin Ave. の関係は知っているが)。バーガー12種、サンドイッチ15種(バーガーは数で必ずサンドに負ける)。と言うワケで「赤坂」と聞いて想像される、アノ界隈からは離れたところではあるのだけれど、商店会的にはコノ辺りも赤坂なようなので、最寄駅赤坂ということで決着させておいた。ちなみに冒頭の旧・桧町小学校(現・赤坂小学校)は、『ウルトラQ』第6話「育てよ!カメ」(1966年2月6日放送)のロケ地に使われたとの情報を入手。制作:円谷プロ、放送はもちろん――チャンネル☆ロック!TBS
2006.4.27 Y.M