ハンバーガーストリート

vol.11

―― ホテル編 ――

 ……新企画は漢字タイトルを諦め離れ、"ホテル編"。1階ロビーにつらなるラウンジのバーガーに開拓の目を向けた次第。と言うか、たまたまホテルの1階を通りがかったときにハンバーガーがメニューにあることに気付き、ほぉ……と思ったのがそもそもの発端である。たかがハンバーガーごとき、なにもホテルで食べることはないだろう……との意見に私も賛成する――がしかしひょっとして?感が最もニオッテ来るのは案外この辺り。それに、中華料理やイタリアンでハンバーガーが出てくるシチュエーションよりは、ホテルで食べる方がナンボか自然だろう。だがご想像のとおりなにぶんお高い。片っ端から試してたのではさすがに身が持たぬ……によって、

1.この国を代表するホテルのバーガー
2.パンが美味しいと定評のあるホテルのバーガー

この辺りに絞り、かつタマ〜に――所謂「自分へのご褒美」程度の頻度でもって――臨むことにしたい。……とか言って毎日通ってたりして……

'07.6.1 インターコンチネンタル東京ベイ updated

ロイヤルパークホテル

コーヒーショップ シンフォニー
[水天宮前]
# 31

 一発目は近場で。こちらの地下1階ロイヤルデリカで売られるパンには定評がある。

 さてビュッフェの時間である。大きな窓の外には庭の滝が青白い照明に照らされて寒々と流れ落ち、室内では豊富なビュッフェメニューが黄金色のライトに煌々と照らされて、都会人の飽くなき欲望に向かって手をこまねいている――魅惑のスイーツ!パン……!!そんな中、何を好んでか、バーガーを頼む珍客一人。

 香ばしいダブルバーガー フライドポテト添え\1,680。カレーライスのような横長な皿に乗って登場。野菜は外付け――つまりバーガーはオニオンとトマトとレタスを抜いた平らな状態、それらが付け合せの丸いポテトとピクルスとともに皿に並んでいる……ウルフギャングパックのときもそうだったんだけど、コノ手の底が一段低い皿って撮影には向かないのである。バーガーの立体感が出ないから。実際に見た目にも、どうしても俯瞰してしまう目の位置になるので、ディテールをつい冷静に見てしまうと言うか、ふ〜ん……こんなもん中に挟むのか……と不必要に素に返らされるような、そんな感じはある。よってバーガー的な情熱と興奮が沸き起こらないのである。

 こういうトコだとケチャップとマスタードは小鉢に入ってスプーンですくうようにして付けるのネ。さすがバンズはロイヤルデリカで売ってるパンと同じで、外皮硬め、中は気泡が大きくちょっと水気の抜けたようなパサ感があるが、でもしっかりと噛み応えのある感じ。小麦粉のいい香り。裏面にはバターが軽く塗られている。で、案外とフツーなレタスがきて、案外と単純な輪切りのトマトがきて、単純な水っぽさがあって、でまぁ見事な断面のオニオンがくるが、こいつが。とんでもなくニガ〜イ箇所があって、パティの味を台無しにしまってると……いや、そんなモンじゃ効かない。食後も胃がスースー、翌日まで残るような強力な逸品だ――正直このオニオンの時点で興味は既に尽きたと言ってしまってよい。パティはさすが柔らか〜肉汁たっぷり。さらに驚くべきは、2枚のパティの間から特製ソースが出て来たことである。この辺の味付けは控え目、だがこのソースのおかげでだいぶ食べやすくなっているものと思う。見かけ以上にダブルのパティはボリュームがあって、すぐお腹に影響してくる。オニオン消しのつもりでケチャップを使ってみたが、あまり味はしなかった。

 全体にしっかり詰まった感じの味が多かったか。ピクルスも派手な酸っぱさを飛ばしたしっかり目の味で、なんだか合間に漬け物つまんでる感覚だった。何にせよパティのいいお味にその他が着いてきていない印象。パティだけホテルの技で丁寧に焼いて、ほかは"アメリカン"の名の下に勘違いなラフさでつくってる感じかな。案外とホテルにこだわらない、従来どおりのバーガーだったのは企画からすれば期待ハズレ。ホテルらしいもったいぶり方を楽しみたかったのにぃ……。BGMは全館"華麗なるストリングス"で。

2005.1.16 Y.M

帝国ホテル

レストラン ユリーカ
[日比谷]
# 40

 カリフォルニア・リゾートをイメージしたカジュアルなレストランユリーカのハンバーガーサンド……一度メニューから消えたのだが、無くなってみると要望が強く、この3月晴れて復帰……なる情報を聞きつけて行ってみたところ、まだない……となればダメ元で聞いてみる他ない。「ハンバーガー食べたいのですが、いただけます?」(ユリーカの)フロントの女性は即答OK!というワケでむしろメニューにないものをつくってもらう優越感に浸りながら。しかもココはコノ国を代表するホテルの中のホテル――なんという我儘!なんという贅沢!

 案内をしてくれたその女性がテーブルを戻してのち言うには「私はチーズをお薦めします。少しニオイがきついですけれど」――なので薦められるままチーズハンバーガーサンド\2,100をカフェオレで。加えて「お時間20,30分かかります」と言い置かれたが、もちろん承知しておりますとも!

 どんな帝国流豪華絢爛バーガーが出て来ることかと待ち構えていると、まずは予告どおりプンと強いチーズのニオイ。ややあって視界に入ってきたプレートの上にはビックリするほど分厚いヘヴィ級の肉塊が、それこそゴロンとバン(heel)の上に乗っかっている。コレは「ハンバーグ」という名前でメニューに載っているものと同じ、通常ナイフとフォークで切って食するモノである。ソレを道具を使わず、口の方からかぶりつきにゆくワケだからなんと下品で無防備な食べ方だろう!

 上のバン(crown)と野菜を乗せ、うずたかく積み重なったバーガーはかぶりつくにはどう見ても口のサイズを超えている。そこを無理矢理ガブーっとゆくと……熱ーっ!!パティの中から肉汁が水鉄砲のような勢いで我がクチ目がけて飛び出してきたのである。逃げ場のない熱さ――強烈!!本気でクチの端を火傷。堪らずクチを離すと皿の上にボタボタボターッ……よくもこんなにも大量の肉汁がこのパティの中に封じ込められていたものだ。ボリュームもさることながらこのパティ、レストランの最高レベルのハンバーグとして全く申し分のない肉感、ニオイ、噛み心地(?)である。もちろんパンの間に挟んで食べるアレンジにも見事にハマっている。

 パティの上でとろける……と言うか、薄〜く幕を張ってパティをコーティングするチーズ(つまりコイツがパティ内部の熱の放出を防いでいるワケ……尚のこと熱い!)――食後聞いたらグリエール(グリュイエール。スイス産。エメンタールと混ぜチーズフォンデュの定番)とのこと。なるほど、チーズの溶けた鍋にパティをトプンと落として引き揚げた様なコノ見た目……納得!フロントの女性が言うにはグリエールはこのユリーカでチーズハンバーガーサンドにしか使わないチーズと。つまりグリエールはこのチーズバーガーのためだけにある――確かにニオイはキツイ。チーズ臭さをさらに強くしたようなニオイ――食べるとさほどでもないが、見た目の通りパティをマイルドに包み込んで味に深みを加えている。

 オニオンとトマトは目立った活躍もないが、レタスはシャリシャリいう食感を常に刻んでいた。きっとガルガンチュワで焼いているであろうバンズはイギリスパンなんかに似た、やや湿った感じの表面。焼いてはあるがパリッとはしていない。中は気泡のあるスポンジ状だがパサつきはなく、弾力が気持ちいい。裏にバター。下のバン(heel)は例の多量の肉汁を前に限界線を超え、崩壊。付け合せはフレンチフライ、塩味の刺激的なブラックオリーブ、中に詰め物されたマイルドなグリーンオリーブ、そしてコーニッションだかガーキンスだか、とにかく小さなきゅうりのピクルス。結局中身はパティ、チーズ、オニオンスライス、トマト、レタス――以上。実にシンプルオーソドックス

 このハンバーガーという料理、1.食材をタテに積み重ねた食べ物である→あっという間に消えてなくなる、2.熱い食べ物である→冷めないうちに次々口に運ばねばならない……そんなこともあって、食べている間というのははしたないまでに短い。もう少し間を置きながら食べようとは思うのだが、どうしても次々いってしまう。ただでさえ食べにくいこの食べ物に必死の形相でかぶりつく、その格闘の瞬間に体温は知らずと上昇し、頭に血が上って、気が付けばどうも一種興奮状態に達しているようだ。アドレナリン全開!独りカッと熱くなり、カッと口を開けて食べている。

 "素手に口"という超ダイレクトな食は、ある種原始的興奮をもたらすものなのかも知れない。そういう意味でコノ食べ方に文化など皆無。日本を代表するホテルの中心で、手と口の周りをベッタベタに汚しながらムサボリ食べる行為が公然と許されようとは……そこにある種特権的な悦楽を見出してしまった私であった――

 さて食後……例のフロントの女性が席を立つ私を見てわざわざ話しかけてきてくれた――美味しかったですか?にはじまりチーズの話、焼き方の話など。さらに彼女は「私はこの店のあらゆるメニューの中でチーズバーガーが一番好きなんです」と言う。「でもこちらならもっと有名なメニューがたくさんあるでしょう」と返すと「ええ、でも私はお客様に『オススメは何ですか?』と聞かれたら、迷わず『チーズバーガーサンドです!』とお答えしています」と言うのである。

 どのメニューが一番美味しいか――その辺りのことはさておいて、これだけ胸を張って言い切れるとは素晴らしい!今は休止中のそのメニューを頼んで来た(=お目が高い?)客が居たことがよほど嬉しかったのか、はたまた最高級ホテルならではの味なリップサービスなのかは分らないけれど、とにかくそこまで言い切られて悪い気などする筈もない。意気揚々とホテルを後にした。BGM――店内無音。4月のメニュー改編で復活するとか。今はメニューにないので伝票には「FOOD OTHER」。

※'07年1月4日の朝食をもって、閉店です。改修工事を経て3月末に新店舗オープンとのこと。とりあえず3月末まで待ちますか……(2007.1.7)

【最新情報】 帝国ホテル [日比谷] ユリーカ跡に
パークサイドダイナーがオープンしました

2005.3.6 Y.M

ホテルニューオータニ

コーヒーショップ SATSUKI
[紀尾井町]
# 44

 前回TRADER VIC'S に行った際には、このカフェ・ラウンジの存在をまだよく把握できていなかった。ニューオータニのザ・メイン(本館)ロビィ階、正面玄関を入ってすぐ右手にある。スイーツが人気。今風、シックなと言うか硬質なデザインに、日本食料理店に続く通路との仕切に使われる笹竹の緑がミスマッチなジャポニズム。奥の壁には大きな錦絵風の絵が描かれている――藤棚に菖蒲、ツツジ……あぁ、店の名"SATSUKI"をイメージした絵なのネ?女性スタッフの花柄上下・ひざ上丈スカートの出で立ちにジェームズ・ボンド的強い時代錯誤を覚える。BGMはあまりに当たり障りなくジャズ。帝国よりも客層が国際色豊かで、柱越しにフランス人老夫婦(←推定。食後、二人でカビ臭〜い匂いを放つ葉巻を吸っていた)のディナーを見やりながら、私はハンバーガーをば。ビーフ100%バーガーwith Cheeseで\2,205にアイスのカフェオレ\840。もちろんイイお値段。

 実はココ、土曜夜の定番、TBS『チューボーですよ!』に、ハンバーガーの回の街の巨匠として登場したことがある――残る二人は本郷のF(未紹介)・横浜元町のS(現在休業中とか)。そんな期待も抱きつつ待つことしばし、現われたバーガーは……ん?なんだ??金色のフィルムに包まれている。純然たる飾りか……とも思ったのだが、しかし包んでいた方が何かと食べやすいので、このフィルムのまま持って食べる。違ってたらドーシヨ……でもバーガー食べてるのは自分だけなので、間違っていようがまるで分かりゃしない!問題無し!平たいバンズは特製全粒粉カイザーロール(←推定)。表面はライトグレーのケシの実だらけ。裏バター(基本)。で、その向こうにキャベツ??が横になっている。挟むのか――と最初思ったが、上のバン(crown)の側にはレタスが既に居るし、どう見てもサンドするにはゴツ過ぎる。尋ねてみると「キャベツには脂肪を分解する効果がありまして……」とのことから付け合せにしていると。味付け一切ナシの生キャベツだが、噛むと甘い。他に付け合せはポテトとタテに2つに切ったガーキンス?コーニッション?

 バーガーに戻る。レタスとトマトの間にマヨネーズドレ。焼き目の縞模様が鮮やかなオニオンは焼き加減絶妙、甘くてジューシー。チーズはチェダー、こいつはなかなかの存在感。ビーフ100%パティは挽肉ではない。一片の肉をよく叩いて柔らかくしたモノで、ゆえにミンチとはまた違う、繊維質のしっかりとした噛み応え。ベーカーバウンスのパティを連想させる。軽く胡椒程度の落ち着いた味付けで、味の勢力図としてはレタ=トマ=オニの野菜トライアングルにやや押されているようにも思える。良い意味でむしろ野菜サンドと言って過言でない。しかしそれはみずみずしい感じではなく――きっとパティの肉感やカイザーロールの食感もあるだろう――やや潤いに欠ける印象。付け合せのキャベツも同様で、ウソでも霧吹きでシズルをつけるといった演出もなく、絵的に見て、皿全体からデザインは感じるが、しかし"食べ物"の生々しい迫力はない――といったところか。けっこう食べ応えがあり、最後は手で持つのに疲れて生まれて初めてハンバーガーにナイフとフォークを使った。帝国のバーガーと比べると若々しく、今様。イヤ、下手するとウェンディーズ辺りよりもトレンドを感じられるバーガーかも知れない。

 ケチャップはデルモンテ、マスタードはFrenche's が瓶ごと出て来る――お気軽・カジュアルな線を意識してのことかも知れないが、しかし食器ひとつ見てもいまひとつ御三家的風格が感じられないのは残念。あと私のした質問に答えられないという失態を二度までもしてしまったのは大きい(キャベツの質問は除く)。1.チーズの種類は何?(食前)と2.パティはミンチじゃないんですネ……(食後)というのと。そんなに難しい質問?チーズの種類についてはこのトコ尋ねればどこでも即答だったモンだから、ついそんなノリで確認したんだけど……。おかげでパティに関してこれ以上詳しい情報を入手し損ねた、う〜む……。一応ピンでテレビで紹介されたメニューなんだからねぇ〜。なんとなく2,000円の元の取り方が解ってきはじめた今日この頃……

2005.3.20 Y.M

ホテルオークラ

DINING CAFE CAMELLIA
[虎ノ門]
# 99

 またやってしまった。カメリアは別館だと何度も言い聞かせているのに、どうしても本館に入ってしまう。5階のメインロビーを1つ下り、連絡通路のじゅうたんの上を足を挫きそうになりながら歩いて、短いエスカレーターを上ると別館の1階に浮上する。カメリアは静かなラウンジスペースの奥にある。

 紅、ベージュ、チョコレート――暖色系でまとめたシンプルな椅子が並ぶモダンな空間で、老舗ホテルらしい「重古さ」はココには感じられない。ソファに着き、ハンバーガー フライドポテト添え\2,300(大人1名、税サ別)とカフェラテ\800(同左)を頼んだ。程なくしてまずコツと置かれたのはフィンガーボウル。底にほんの僅かばかり水を湛えるだけの上品さだ。BGM――無音。冷蔵ケースのサーモのような音が少し遠くで鳴っているだけ――静かなものだ。いや、何処かでフルートの音が流れていたような気もする。が、BGMと呼ぶに当たらないくらいの微量だった。客はまばら。むしろ9時を過ぎた頃に増え始めたろうか。今夜2度目のラッシュアワーかも知れない。サラダバー「大地の旬菜」が盛況な様だ。

 照明がすごく良い。天井を何本もの光の曲線が走り、グーッと大きく曲がっては他方から伸びてきたソレとぶつかり、何処へともなく走ってゆく。見渡すと、其処彼処に曲線が多い。この部屋は曲線で構成されている。少しデザインに丸みを与えるだけで、案外と安らぐものなのである。ふと手元に視線を落とせば、テーブルに敷かれた紙製のマットにも、そして運ばれたコーヒーカップにもソーサーにも、同様な曲線のデザインが施されていた。やがて白い四角い皿に乗ったハンバーガーが待望の姿を見せた。

 いい味だった。

 表面何も飾らないバンズはホテルらしい、気泡のやや粗いドライなもの。内側に塗られたバターで生地が黄色く見える。上品な辛さのレッドオニオンが、シャクシャクと常にリズムを刻んでいる。自然な甘さのトマト。細かく縮れたレタス。肉がまたものすごく上品である。柔らかい。キメ細かい。一切ザラつかない。しかし練りモノ的な歯応えの無さではない。一切任せたら本当に完璧な隙の無い焼き加減で出してきた。いつもの台詞「中はまだ赤味の残る……」がこれほど精緻に表現されたこともかつて無かっただろう。控え目ながら、でもしっかりと良い味を醸すパティ。半分食べ終えたところで、残り半分はケチャップを付けて食べることにした。するとこのケチャップが見事バーガーに甘味を添えて、さらに食べやすくなる。食べやすい、しかしスルスルと喉の奥に流れ込む感じとも違う、適度な抵抗がある。パティにもある。バンズにもある。簡単に消えては無くならない、"余韻"とでも呼ぶべきものがあって、後を引く。食べ終わる頃ようやく気付いたのだが、このバンズ、包み込むような丸ーい甘さを微かに、しかし確かに放っている。どこかでマスタードがピーンと効いている。上品な線の中に浮かび上がる、マスタードの刺激とバランスが絶妙である。付け合せはフレンチフライ、ハンバーガーの中身と同様なレタス、レッドオニオン、そしてまるでラッキョ様のホワイトアスパラの酢漬け。

 コーヒーカップを手に取り、苦味の効いたカフェラテを口にする。

 ホテルオークラは東京オリンピックに先駆け1962年に開業。俗に「御三家」などと呼ばれるが、その1つホテルニューオータニも同様に五輪に向けた'63年の開業、唯一帝国ホテルだけが1890年(明治23年)で、先の「両家」とは刻まれた年輪の数が全く違う。並べて語られることソレ自体が至極不思議であり、不自然である――というくらいにコノ御三家は同列に並べ難い。帝国はしかも、時の外務大臣井上馨が渋沢栄一らに諮って創られたというのだから、まさに歴史の只中から生まれ落ちたホテルである。そしてこのとき、渋沢らと共に設立に携わった大倉喜八郎の長男喜七郎がのち、このホテルオークラを創始することになるのである。大正12年にフランク・ロイド・ライトの設計によって建てられた帝国の旧館が現在、明治村に移築・隠棲していることは有名だが、片やオークラの建物は小坂秀雄が外観の設計を担当。現代建築愛好家にはあまりに有名なこの複雑な構造の建築は、平成の今でも私の現在地を危うくさせて止まないのである。

2005.11.10 Y.M

ウェスティンホテル東京

レストラン THE TERRACE
[恵比寿]
# 105

>恵比寿ガーデンプレイス!冬空のボサノヴァは寒いゾ〜!

 2006年正月1日、余りの寒さに人出も例年より少なく見受けられる渋谷を抜けて、暖と美味しいものを求めて恵比寿へ。閑散とした元日の町中で、正月休みでも確実に開いているお店を探すなら……ホテルなら間違いない(吉野家とか答えないよーに)。以前ココで何やらモゴモゴ言ってましたけど「帝国」「オークラ」「ニューオータニ」の"御三家"の次は"新御三家"を行ってみようと思う。私はこれでもかつてホテルに関係する業界に身を置いていたことがあり、その折ある人から新御三家の話を聞かされた。早7、8年前の話である。まぁ当時一部でそう言われていた――という程度の受け止め方で正しいと思う。別に広くホテル業界で通っている呼称でもないと思うし、まして日本史の試験にも芸能のクイズにも出ない。で、その新御三家と呼ばれるホテルのうちの一つがウェスティンホテル東京。残る2つは何処?――まぁまあ、後々のお楽しみということで……

 恵比寿ガーデンプレイスは元日殆どの店がお休み。なにせマックすら閉まってましたから。天候に追い討ちを掛ける寂寥とした眺めの中、店やってないのに何故か通路に響くBGMのボッサでさらに寒さの追い討ちを掛けられ、背中を丸めながらホテルに入り込む。ロビーラウンジにはハンバーガーは無いので、同1Fのレストランへ。地中海風インテリアの店内はきっと外光を計算してのことだろう、コーブ照明中心の抑えた明るさ。店の名にある六角形に突き出したテラスには所謂ロマンシェードが低く下がっている。庭は寒々……それでも必要最低量の常緑樹が都会の喧騒から視界を隔ててくれている。ま、ボロ隠しって程度ですかな……(別段の悪意はない)。

 "テラス"ハンバーガー\2,100、「オープン以来10年間変わらぬオリジナルメニューです」とのこと、付け合わせはフレンチフライにピクルスと言うより酢漬けのキュウリ。あと、やたらとバジルを効かせたトマトソースが添えられていたのだが、サーブされた時ちょっと席を外していたものだから、何に使うか聞きそびれた。
 バンズ表面はゴマが白黒交じり、テカテカのクリームパン状の皮。生地はホテルでは定番、例の気泡の大きいスポンジ状で、少し黄色味がかってたかな?柔らか過ぎて少し頼りない……と思ってたら案の定ほどなく決壊。保湿力のすこぶる低いバンズだったが美味は美味。中身はシュレレッドオニ、トマ、チー、パティ、ベー、シュレレタ、下バン。パティは美味しかった。ミディアムレアでお願いしたら柔らかくノド越しよく、かつ肉質がザラザラとしていて、剛柔兼ね備えた質感。美味しいパティというのは実はあまりソレ自身強い味を持っていないもので、このパティも口に入れると旨味だけがじわりじわりと後から後から効いてくる。ベーコンは、佐世保のものをレアとするならミディアムくらいに柔らかく、塩味も上品。下バンの完全崩壊により仕方なくフォーク&ナイフで後処理したが、じっくり効かすパティの味を中心とした旨味は、冷めてなお変わらなかった。お供はグズッと苦いカフェラッテ\920(お代わりはご自由に)。BGMはよく聴こえなかったものの「春の海」がヒネモスノタリとエンドレス。

 さて例によってウェスティンとは――というのを掘らなくてはいけない。「米国北西部に17のホテルを有するほんの小さなホテルチェーンが、世界をリードする存在にまで成長しました。現在ウェスティンは、世界でも指折りの高級ホテルをはじめ、24ヶ国に120以上のホテルを所有しています」とのこと、1930年創設時には 「ウェスタン ホテル」だったそうな。本部NY。でも現在はさらにその後ろでスターウッドホテル&リゾートワールドワイドなる企業が運営しているそうで、ウェスティンはそのスターウッドの中の1ブランドという位置付けになるようなのである。かのシェラトンもスターウッド傘下……ってこの辺りで関係が何だかよく解からなくなってくるのが毎度のパターン。ちょうどその辺の経緯を分かり易く説明している好ページを見つけたので詳細はそちらにおまかせで……。ウェスティン東京は'94年10月14日開業。経営は株式会社三田ホールディング。なるほど、言われてみればあそこは目黒区三田なのかぁ(慶応義塾は港区三田)。

2006.1.2 Y.M

パレスホテル

カフェ・レストラン Humming
[大手町]
# 127

 東京都千代田区丸の内1-1-1、丸の内は此処パレスホテルから始まる。

 開業1961年10月。こちらのパンもなかなか美味しくて、中でもコーンミールを使ったコーンブレッド\567は、とうもろこしのほんのりした甘さが特長の逸品。しかも余所では滅多にお目にかかれない。ハンバーガーを置いている店は地下。風薫る5月、1Fの"お濠と白鳥を眺めながら優雅なひとときを"テラスレストラン スワンなら、初夏の日差しが注ぐ明るいテラス席でゆ〜ったりと戴けるのだが、しかし肝心なハンバーガーが無いのだから仕方ない。渋々とB1Fのカフェ・レストラン ハミングへ。実物は歌うような字体なのだが、当然HTMLでは再現出来ない。

 まぁ正直申し上げて、外観も内装もファミレスとイイ勝負。パステルカラーのタイルカーペットに籐の椅子、2人用の白いテーブル無数にシンプルな白い壁。夜は4,000円のコースもあるが、基本は所謂洋食メニュー。美味しそうな写真を多用していて分かりやすく入りやすく、それこそファミリーで気軽に利用のできる安全かつ無難な選択といったポジション。但しサイトの文章がやや奇妙……「明るくさわやかな雰囲気で、軽いお食事をお楽しみください。また、世界のビール40余銘柄を取り揃えております」外光の一切入らぬ地下にあって、明るくさわやかもないだろう……とか、食事の軽い/重いを、そうはっきりと店の側で決められてもなぁ……とか、「また、」の使い方はそれでいいのか……とか、「取り揃えております」から何なのだ……とか。

 ハンバーガー サンドウィッチ\1,680、お供にカフェラテ\630。5月はハンバーグフェアなるを開催中だそうで、そんな流れできっと間違いのないものが出て来るだろうと半ば安心して座していると、まずカフェラテを隣のテーブルへ間違えて運び、次いで待望のハンバーガーは、厨房から一度姿を見せたかと思えば何かのミスに気付いてすぐ引っ込み、また登場、また引っ込んで再々登場の挙句、今度こそ直送されると思いきやコースを逸れて先輩スタッフのところへ行き、チェックしてもらってからようやくサーブされるという紆余曲折、波乱万丈の大サービス……あかんで、キミィ。

 付け合せはフレンチフライにパセリ。バンズの間に小ぶりなパティ。外にピク×2、シュレレッドオニ、トマ。こんだけ。あまりに淋しい見た目だったので、今回少しコーディネートして撮影いたしました。他にケチャップ、マスタード、レリッシュの刻まれていた"ように思う"サルサソース。バンズはこれぞテーブルロールという光沢、ケシもゴマもナシ。裏バター。はっきりと、しかし上品な甘味があり、味のペースはこのバンズ。しかし下手な自己主張には走らない奥ゆかしさがある。パティはハンバーグ。ちょっとコゲあり。ナツメグの食べにくさはなく、野菜を挟んでいただくと案外と良い味に落ち着く。試みにケチャップとマスタードを付けてみたところ、これが……!!ホテルらしいまろやかなケチャップ、いやそれ以上にマスタードが味の引き立て役なのである。苦味よりも硬派な酸味の効いたマスタードはバーガーの味に幅を持たせ、深みを与えて、さらに食べやすくさせる――これぞまさに立役者。バンズとパティのみでも不思議なくらいまとまりは良いのだが、ケチャップとマスタードを加えればさらにマイルドなまとまりを見せる。ピクルスがまた歯応え良く、すっぱ辛いリズムを効かせる。\1,680はどうにも高いが、見た目よりは実のあるバーガー。カフェラテとの相性もなかなか。

 それにしても若きスタッフたちの動きはどうにもぎこちなくて、見ていてハラハラし通しだった。まさかコノ連休オンリーの短期バイトでもないだろうに(案外そうだったりして……)。サービス料が10%かかるワケだが、果たしてアノ寸劇以外、何をサービスしてくれたのかね?(ト言いながら、机の端を拳でコツコツと叩く)BGM――ほとんど聴こえないくらいにフルート曲が。

2006.5.4 Y.M

パーク ハイアット 東京

ジランドール
[新宿]
# 159

●空中散歩

 新春恒例、元日のホテルでハンバーガー。今年も年始の挨拶を滞りなく終え、向かうは新御三家(最早死語?でも「ホテル 新御三家」で検索して4,140件がヒット――YAHOO!調べ)の一つ、パークハイアット東京。ちょちょいと新宿まで。

 いや〜新年早々、胸の透くような眺めなのである!特に41階、左右に書架の配された通路の続くその先は――なのですよ!!しかも正月一日、穏やかな午後の日の、白くパーッと輝くさわやかな冬の青空――52階のニューヨークグリルもそうですが、何と言うか――空中散歩?しかもただの「ハイ!高い高〜い!」ではなくて、三方を囲むはグッとオトナでエレガントなこのインテリアですよ!通路脇に置かれたソファの一角を占めて、地上41階のこの眺望を背にの〜んびりおしゃべりして過ごすのなんて、実にモォ素敵です!きわめてアーバンリラクゼーション!これぞ極上のひととき!!

 前にも書きましたが、こんな冬の日の空中散歩にはジャコ・パストリアスの“3 VIEWS OF A SECRET”がオススメ。ラヴ・アンリミテッド・オーケストラの「愛のテーマ」でもイイ。フィフス・ディメンションの“UP, UP AND AWAY”でもイイ。ランディ・クロフォードの“ONE DAY I'LL FLY AWAY”もイイ。とにかくオトナに優雅にジェットストリーム系で。

●バーンズ

 ジランドールは41階。「天井までの高い壁を埋め尽くした144枚のモノクロ写真」とはつまり、ブルーノート東京のエントランスのような感じでして、写真は仏の女性写真家ベラ・マーサーの作。その高天井の下、ダークオレンジのフロアの上に白いクロスを掛けたテーブルが整然と並ぶオープンな空間は、朝は7時から夜11時まで、まさにコンビニエントな使い勝手を誇る、文字通りのオールデイダイニング

 アラカルトのセサミバーンズのビーフチーズバーガー\1,700(サ別)、英語表記には"grilled beef burger with cheddar cheese"と「セサミ」とは一言も出て来ないのだが、それよりなぜ「バーンズ」と伸ばすのか?いや、そんなことより「バーンズ」と聴いて「アルヴァマー序曲」が思い浮かんだ人!手を上げなさい。

 そのタイトルどおり、バンズは上から下まで白ゴマがいっぱい。香ばしさと言うより、プチプチ・つぶつぶとした軽快な食感を終始発揮していて、「乗せ物」以上の存在感あり、美味。生地はてっぺんを押さえるとクーッと沈んで、またフクフクと戻るやわらかさ。弾力でなく、クッションみたいな感じ?裏はサックリ焼いてある。口にすると舌の上に乗っかる瞬間に上品な甘〜い味がフッとするんだよねぇ。
 中はチェダーチーズが2枚、パティを挟むように上下にあり、さらに下に薄味のピクルス3,4枚、レッドオニ、鮮烈な赤を誇るトマト×2、レタス、下バンにバター。

●パティが絶品

 どこかなぁロースかなぁ。疑いなくステーキにして食べるような部位。この脂の具合、旨味、やわらかさ、焼き加減――どれをとっても非の打ち所なし。とにかく滋味!滋味!黒胡椒以外、ソースや調味料は特にかかっていないのだけれど、本当に肉の味だけでじ〜っくりとバーガー1個いけててしまう旨さ。

 ピクルスの、控え目にしんみりと塩味を効かせた名脇役ぶり。辛さを抜いたレッドオニオンの適度な刺激。ただトマトは彩り鮮やかなれど、ややグズッとやわらか過ぎて、すぐ崩れてしまい、隊形の維持という点ではマイナス。でもそのグズグズと崩れる感じが結果的にノド越しを良いものにして、バーガー全体がスーッとノドの奥に落ちてゆくのにプラスに作用していた。付け合せは、わりと一般的なシューストリングカットのフレンチフライに、フレッシュトマトのイタリアンバジルソース。お供にカフェオレ\950。食後のお代わりにはクッキー付き。ちょっぴりジンジャーが入っていて、後口良好!

 市井のように袋など付いてきません。最近ホテルでワザと手を汚しながら食べるのが、一種快感のようになってきている私――スヌーピーでいうピッグ−ペン的心境。なにぶん水分過多のため、例によっての政権崩壊。と言うか、あまりに無防備な気がする。あらかじめレモンを浮かべたフィンガーボウルが用意されてはいるのだが、でもそんなもんで収まるベトベトさではありません。後半はノコギリ刃のナイフとフォークが助さん格さん。でも崩して食べてもおいしいものはおいしいワ。コレはコレという解釈で。

 食後、オニオンやピクルスの抑えた刺激はキレイに消えて、見事に肉の余韻だけが口中に残る。ちょっと残り過ぎな気もするが、このたまらぬ旨みはさすが場所柄、また食べたくさせる魅惑のお味。BGMはいまどきなジャズヴォーカルが、ときにスタイリッシュに、ときにエキゾティックに。

§ §

 「世界で10番目、アジア地域では初めての「パーク ハイアット」ホテルとして、1994年7月西新宿に開業」して、以降13年。特に今年は、東京を中心に外資系ホテルが大挙進出する「2007年問題」として、その激戦が予想される年ではあるけれど、しかし外資系ラグジュアリホテルの先駆的存在として、さすがその佇まいには唸らせられるものがあります。

2007.1.7 Y.M

インターコンチネンタル 東京ベイ

DINING BAR C4U
[竹芝]
# 176

くちびるにミステリー、特集――"海にハンバーガー"


●今、最もバーガーに力を入れているホテル

 「新御三家」だなんて、そんなこと言ってるうちに時は2007年。でも「2007年問題」も今回全てスルーして、「今これだけハンバーガーに力を入れているホテルは、ココをおいて他にないでしょう」ト、言ッテルノハ私デスヨ……じゃなくてコレ、とある事情通の御言葉。

 そんな次第でウォーターフロント、竹芝へ。オーシャンビューです――C4Uですから。この手の当て字を見ると、プリンスみたいな……まぁいいや。


●C4U

 オープンして1年半ほど。ホテル自体は'95年の開業。入ると妙に広いエントランスホールがあり、それと直角に「I」の字を象った、青く自発光するバーテーブルとオープンキッチン。パティはこのよく見える位置でジュージューいわせて焼いている。

 オープンキッチンに対し、さらに直角にホールが続いて、窓の外には日の出桟橋、その奥にレインボーブリッジという陣容。なぜこんな不規則な間取りをしているかといえば、長方形の面積の中にフィットネスクラブ「B・Five」を内包しているからである。こんな肉汁滴る空間を前に果たしてフィットネスになるのか……まぁ、見なかったことにするんだろうネェ。あるいはバーガー頬張ることを夢見て頑張るか。それにしても……ん?「B・Five」に「C4U」か……ヨシッ!わかった!(ト、手を打つ)

 店内下半分はカリフォルニア的落ち着きあるダイナー、上半分はギラッと派手なフレームで囲んだ液晶モニターが計7面、常時異なるチャンネルをピカピカ映し出して賑やか――こういう所で観たアニメって頭にこびりつくんだよネェ。

 一段上がってダークブルーのラウンドシートが3つ。背後の壁には鮮やかなオレンジ色の幕が引かれ、その壁一枚挟んだ向こうがフィットネスルーム。どの席も海を"ハス"に見やる感じのオーシャンビュー。"海際"特有の、ガランと虚無な空気を微かに漂わせている。


●My Favorite Burger

 スタッフは縦縞やデニムのシャツを爽やかに着こなし、ホテルにしては心持ち気さくな雰囲気。「おいしい料理をなるべく安く」提供したいというコンセプトのもと、コノ店の大ヒットメニュー「My Favorite Burger」は現場発、スタッフの声の中から生まれたアイデア光る逸品だ。

 選ぶことに喜びを感じるMy Favorite Burger。トマト、オニオン、レタスと付け合わせのコールスローがデフォルト。

 パテは100g\1,733(サ税込)から500g\6,353まで、8つのサイズから選択。バンズはプレーン、グラハム、コーン、ライ、ベーグルの5種類から、サイドディッシュのポテトはフライド、ベイクド他4種類から。トッピングは各種Sサイズ\116〜Mサイズ\347まで。良心価格で好きにバーガーが作れる、遊び心満載のお楽しみメニュー。他店のシステムと比べ、何だか妙にソノ気にさせるレイアウトなんだよねぇ、メニューが。

 たとえば100gパテにベーコン+チーズのトッピングで\2,022(サ税込)は、ホテルとしては相当「お値打ち」です(←コノ言葉キライなんだ)。


●淡路和牛

 グランドメニューに載っているC4U特製淡路和牛100%ハンバーガー\2,541はパティ180gにトマト、オニオン、レタスの載った既製品。

 ホテルには珍しくバンズは目が細かく、しとっとウェットに張った感じの皮で硬め。パティは淡路島産黒毛和牛。淡路島というとタマネギをイメージしがちだが、神戸・松阪・近江などの素牛(もとうし)となった但馬牛(たじまうし)の産地としても有名である。

 粗いと言うより大きな挽き方、ミディアムレアで丁寧に焼き上げたパティは、中はキレイな薄ピンクに色を残して、もうほとんどステーキをいただいているような感覚。脂もニオイもキツくなく、カブリ付けば肉汁がピューッ……と、かつてのユリーカほどには鋭くないが、ボタボタッ……と憎い滲み出方。こうなるとトマトもレタスも関係なし。おいしい肉をパンに挟んだ、ただそれだけの単純構造。パテ対バンズの一騎打ち。コレは贅沢!

 しかもサイドディッシュも情け無用の大盛りなので、パテ100gでもお腹パンパン!この日選んだサイドはとろけるマッシュポテト、そしてくだんのコールスロー。お供にアイスカフェラテ\750。シェイク、フレッシュジュースなどは原宿Good Honest Grubのプロデュース。

 但し袋なし――こうなりゃ意地でも置かないんだろうな。ならコッチもあくまで素手で……。


●"コースアウト"スポット

 フレンチ時代のアノ手コノ手はあえて封印して「変に凝らずに、おいしい素材はそのまま出したい」という岩波シェフ。ホテルの「本気でイイ食材」を豪快に堪能できる、リーズナブルなハンバーガー。これだけボリューム"ブイブイ"の食事が出る店なので、バーというよりはダイナーの色の方が強いだろうか。汐留・台場などの人気スポットから離れてもいるから、雑踏を逃れ、人混みにすっかりヤラれた羽をしばし休めに来るような、そんな"隠し湯"的な使い方で如何?BGM――昼どき、わりとおバカ系洋楽のオンパレード……本気でおバカ

§ §

 別日再訪。このときの模様は【二ッ目!】にて。


― shop data ―
所在地:東京都港区海岸1-16-2
ゆりかもめ 竹芝駅歩3分 地図
TEL:03-5404-2246
オープン:2006年
営業時間:11:30〜14:30, 17:00〜0:00
定休日:無休(要確認)
2007.6.1 Y.M